平成29年度全国発明表彰 選考経過報告
平成29年度全国発明表彰の選考経過につきまして、ご報告申し上げます。
本表彰候補につきまして、昨年7月に、朝日新聞紙上等を通じて公募するとともに、全国各地域の発明協会をはじめ関係諸団体に候補の推薦を依頼いたしました。
その結果、学界・産業界等 各界より、多くの優れた発明及び意匠が寄せられ、功労者関係につきましても、全国より多数の推薦がございました。
審査に当たりましては、選考委員会において慎重な審議を行い、第1表彰区分では、恩賜発明賞1件、特別賞9件、発明賞12件、第2表彰区分では、21世紀発明奨励賞3件を選考いたしました。
恩賜発明賞に選考されたのは、株式会社日立製作所の藤井祐介氏をはじめ7名の研究者による、『動体追跡粒子線がん治療装置の発明』でございます。
本発明は、呼吸などで複雑かつ不規則に変化する腫瘍の動きに同期して、高精度に粒子線を照射することのできる制御装置に関するものでございます。
腫瘍が一時的に照射の目標を外れても、適切な待機時間を設定することで、照射効率の向上と治療時間の短縮が可能となり、患者への負担が少ない治療を実現しました。
北海道大学が開発した動体追跡技術と融合した世界初の治療システムが、現在北海道大学病院において、稼働しております。
他の受賞発明及び意匠につきましても優れたものばかりであり、各々に関しご紹介すべきと存じますが、詳細はお手元の『功績概要』をご覧ください。
本日、受賞された皆様には、これを機に、より一層研究開発に邁進されますことをご期待申し上げます。
以上をもちまして、簡単ではございますが選考経過の報告とさせていただきます。
平成29年6月12日
公益社団法人 発明協会
全国発明表彰 選考委員会
委員長 末 松 安 晴