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発明協会の表彰事業

平成二十五年度 全国発明表彰 選考経過報告

 平成二十五年度「全国発明表彰」の選考経過につきまして、ご報告申し上げます。
 本表彰候補の発明につきましては、昨年七月、全国四十六道府県の発明協会及び朝日新聞紙上等を通じて公募するとともに、関係諸団体に候補の推薦を依頼いたしました。
 その結果、学界・産業界等各界より、多くの優れた発明が寄せられ、さらに、発明の奨励・育成に多年にわたり尽力された功労者につきまして全国より多数の推薦がございました。
 審査に当たりましては、電気・化学・機械・意匠及び二十一世紀の各専門部会を経て、選考委員会において慎重な審議を行い、第一表彰区分では、恩賜発明賞一件、特別賞九件、発明賞十一件を、また、第二表彰区分では、二十一世紀発明賞一件、二十一世紀発明奨励賞一件を選考いたしました。

 恩賜発明賞に選考されたのは、大塚製薬株式会社の大城靖男氏を始め、三名の研究者による、『新規統合失調症治療薬・アリピプラゾールの発明』であります。
 本発明は、従来の薬剤に比べて治療効果及び安全性の高い新規化合物、アリピプラゾールを有効成分とするもので、世界で初めてのドパミンD2受容体に部分的に作用する薬として、症状を改善するとともに、副作用も少ないという特徴があり、日本発の新規作用メカニズムを有する第三世代の統合失調症薬として、世界七十ヵ国以上の国や地域で承認、販売されている実績を評価いたしました。

 また、二十一世紀発明賞には、新日鐵住金株式会社の田中一郎氏を始め、六名の研究者による、『省資源型高強度電磁鋼板の発明』を選考いたしました。
 本発明は、磁気特性と機械強度を両立した高強度電磁鋼板に関するもので、その優れた機械強度特性に起因してモータの設計自由度を大幅に拡大させ、モータ性能を飛躍的に向上させる可能性を有しており、今後の適用範囲拡大、技術分野の拡がりを通じて地球環境問題、エネルギー問題の解決への大きな貢献が期待されることを評価したものであります。

 他の受賞発明につきましても甲乙つけがたい 優れたものばかりであり、各々に関しご紹介すべきと存じますが、詳細はお手元の『功績概要』をご覧いただければ幸いです。
 本日、受賞された皆様には、これを機に、より一層研究開発に邁進され、さらなる業績をあげられますようご期待申し上げます。

 以上をもちまして、簡単ではございますが選考経過の報告とさせていただきます。

平成二十五年六月十八日

公益社団法人 発明協会

全国発明表彰選考委員会
委員長  末 松 安 晴