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発明協会の表彰事業

平成22年度全国発明表彰 受賞技術概要
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文部科学大臣発明賞
コークス炉壁煉瓦補修用熱間計測・予測技術の発明(特許第4262282号)

杉浦 雅人
新日本製鐵株式會社 技術開発本部 環境・プロセス研究開発センター 計測・制御研究開発部 主任研究員
入江 敬介
新日本製鐵株式會社 大分製鐵所 製銑工場 製鐵管理グループ
福田 耕一
新日本製鐵株式會社 技術開発本部 環境・プロセス研究開発センター 製銑研究開発部 主任研究員
佐野 明秀
新日本製鐵株式會社 名古屋製鐵所 製銑工場 コークスRグループ マネジャー
森實 好文
新日本製鐵株式會社 八幡製鐵所 生産技術部 設備計画グループ マネジャー
境田 道隆
新日本製鐵株式會社 技術開発本部 環境・プロセス研究開発センター プラントエンジニアリング部 コークス・化成設備技術グループ グループリーダー


発明実施功績賞

宗岡 正二
新日本製鐵株式会社 代表取締役社長


 鉄鋼業の高炉の還元剤であるコークスは、煉瓦製の多数 の炉室から成る巨大なコークス炉で石炭を加熱して製造される。国内コークス炉の多くは稼動30年を超えており、炉体の損傷が深刻化し、生産にも影響し始め ている。特に各炉室は、炉高6m及び炉長16mに比べて非常に狭い(0.4m)ため、炉壁凹凸損傷はコークスを押し出す際の障害となり、生産能力や熱効率 の悪化を招く。発明者らは、常時1000℃以上のコークス炉内壁の凹凸を高精度に計測する装置を先行して開発していた。
 本発明は、計測で得られる不規則な立体形状の凹凸をコークス押出性に対して指数化することで、補修支援情報を提供する技術である。計算機上で凹凸部を仮 想的に平滑化し、押出性の改善効果を予測することにより、凹凸補修の必要性を事前に評価できるので、効果的かつ効率的な補修を可能とする。本発明はどの コークス炉にも共通して適用できることから、世界的に高い波及効果が期待できる。




図1 コークス炉の構造と長期稼働による炉体損傷



図2 本発明の炉壁凹凸計測情報に基づく補修支援技術