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平成22年度全国発明表彰 受賞技術概要
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内閣総理大臣発明賞
W-CDMAにおけるセル探索時間短縮技術の発明(特許第3214860号)
安達 文幸 | 東北大学 大学院工学研究科電気・通信工学専攻 教授 | |
佐和橋 衛 | 東京都市大学 知識工学部 教授 | |
樋口 健一 | 東京理科大学 理工学部 講師 | |
大野 公士 | 株式会社 エヌ・ティ・ティ・ドコモ 研究開発推進部 担当部長 | |
東 明洋 | 株式会社 エヌ・ティ・ティ・ドコモ 研究開発推進部 担当部長 |
発明実施功績賞
山田 隆持 | 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ 代表取締役社長 |
本発明は、世界中で普及が進んでいる第三世代携帯電話システムで採用されているW-CDMA方式に関する基盤技術であり、移動局が基地局を特定し通信を開始するまでの時間を短縮する技術である。
WーCDMA方式では、高効率無線伝送を実現するため長周期拡散符号(ロングコード)と短周期拡散符号(ショートコード)による二重拡散を採用しているが、本発明は、ロングコードを適用しない区間(マスク区間)を一定周期で設け、更にマスク区間でロングコードのグループ情報を同時送信することを特徴とし、最初にマスク区間のショートコードのみを用いて同期タイミング検出を高速で行い、次いでグループ情報を用いてロングコード探索候補を限定することで、実用的な時間内でセル探索を完了することを可能とした(90%以上の確率で200ms以内)。
本発明は、通信開始までの同期時間短縮のみならず、移動時の通信品質の安定化、待受時の省電力化の面でも不可欠な技術として3GPP標準化規格で採用されており、W-CDMA方式の商用化、発展に大きく貢献した。