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発明協会の表彰事業

平成22年度全国発明表彰 受賞技術概要
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21世紀発明賞
自然で見やすい3Dディスプレイの発明(特許第3892808号)

福島 理恵子
株式会社東芝 研究開発センターマルチメディアラボラトリー 主任研究員
平山 雄三
株式会社東芝 研究開発センターマルチメディアラボラトリー 研究主幹
平  和樹
株式会社東芝 技術企画室 参事


発明実施功績賞

佐々木 則夫
株式会社東芝 代表執行役社長


 専用メガネをかけて見る方式の3D(三次元)ディスプレイが映画やテレビで普及しつつあるが、メガネが要らない方式が21世紀の主流になると考えられる。従来のメガネなし方式では、フラットパネルディスプレイの前面にレンズアレイを被せ、画素からの光の方向を制御して光線を再生するが、均一に光線を再生しようとすると鑑賞範囲が狭くなるという課題があった。
 本発明は、光線の均一性を維持したまま、鑑賞に必要な光線を選択して再生するという考え方に基づき、レンズはn個の画素の周期で設けるが、レンズに対応する画素の数をn個と(n+1)個の2値とし、レンズに対応したn個の画素を任意に選択できるようにした。これにより、自然さ(なめらかに側面が見える)と、見やすさ(広い範囲で見える)を同時に達成した3Dディスプレイを実現した。
 3D映像の高い臨場感によるエンターテイメント分野への応用をはじめ、立体情報を正しく伝えるという特徴を生かした医用や教育への応用も考えられる。本発明による自然で見やすい3Dディスプレイは、安全安心で豊かな知的創造活動がなされる社会の実現への貢献が期待される。


図1 本発明の3Dディスプレイ


図2 3D映像の見え方