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全日本学生児童発明くふう展

第80回全日本学生児童発明くふう展審査を終えて
-面白さを感じながら創り出された作品たち-

 第80回全日本学生児童発明くふう展には、各地域で開催された発明くふう展で優秀な成績を収め推薦された作品を中心に合計696点の作品が集まりました。書類審査後、第一次実物審査となる審査幹事会を行い122点と特に優れた34点を選出しました。審査委員会で第二次実物審査を行った結果、恩賜記念賞以下各賞の作品を選出しました。まん延防止等重点措置に対応して、作者または事務局が作成した「作品紹介動画」と提出された申込書を、審査員が各所で視聴・熟読、適宜、電子メールによる事務局との質疑応答を行った後、オンライン会議で意見交換をし、各賞を選出しました。オンライン会議は情報・通信・表示技術における先人たちの発明のおかげと気づきました。
 恩賜記念賞には、神奈川県の聖光学院中学校2年生・工藤貴博さんの作品「自動換気装置エア・フレッシュ」が選ばれました。これは二酸化炭素(CO2)濃度に応じて自動で窓を開閉する装置です。CO2センサー信号と窓の開/閉状態信号をマイコン処理してモーターを制御する電気系と、重い窓を動かすための動滑車と糸車の機械系の仕組みでできています。CO2濃度と窓開閉状態の実測データも見事にまとめました。今重要なウイルス感染防止に有効な室内換気を、窓の自動開閉で実現した独創的な作品です。
 内閣総理大臣賞には、相模原市立桜台小学校6年生・嘉手納杏果さんの作品「しまるん」が選ばれました。従来のチャック付ポリ袋では内容物通過の際に付着してチャックの密封度が低下することがありますが、これをチャックの外まで伸びた内袋を付けることで解決した優れたアイデアの作品です。
 文部科学大臣賞の「ドアあける君」(小学校6年生)、経済産業大臣賞の「キッチンマルチなべしき」(小学校6年生)、特許庁長官賞の「フィジカルディスタンス補助装置」(高等学校1年生)、WIPO賞の「転落防止!音のカーテン」(小学校5年生)、そして発明協会会長賞、日本弁理士会会長賞、NHK会長賞、毎日新聞社賞、毎日小学生新聞賞、科学技術館賞と、それぞれの賞の特色に合った作品が選ばれ、さらに20点の優れた作品が奨励賞に選ばれました。
 複数の応募者たちは毎年この展覧会に応募し、年を追うごとに腕をあげています。彼女、彼らのように「創造することは面白い」と気づく若者がどんどん増えてくれることを祈念します。若い人たちの旺盛な創造活動は親御さんや学校の先生方をはじめとする関係各位のご助力とご支援の賜物です。パンデミックが長引く中でのご尽力に心より感謝申し上げます。
審査委員長
審査委員長 古屋一仁

東京工業大学名誉教授

本事業に関するお問合せ先

公益社団法人発明協会 青少年創造性グループ
TEL 03-3502-5434/E-mail 担当者へメールを送信する