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第78回全日本学生児童発明くふう展審査を終えて
-アクティブ・マインドを感じさせる作品たち-
第78回全日本学生児童発明くふう展に、各都道府県で開催されました展覧会において優秀な成績を収めた作品を中心に754点の推薦がありました。それらの中から書類審査を通過した作品について第一次実物審査となる審査幹事会を行い117点と特に優れた40点を選出しました。そして後日開催の審査委員会で第二次実物審査を行った結果、恩賜記念賞以下各賞の作品を選出いたしました。 恩賜記念賞には、東京都の町田市立鶴川第二小学校6年生・工藤貴博さんの作品「太陽光採光装置」が選ばれました。窓に設置して太陽光の進行方向を変え、部屋の奥まで届ける採光装置で、アクリル三角柱の構造と配置を実験に基づいて決めました。太陽を自動的に追いかける機構が付いています。装置を稼働させて照度を実測し、陽が高くなる正午でも部屋の奥で200ルクス以上確保できることを実証しました。 内閣総理大臣賞には、福岡県私立祐誠高等学校・堤斗来さんの作品「つり革でスマホの充電」が選ばれました。バスや電車の中でスマホ充電ができたらいいなと考えて、つり革リングに送電コイルを埋め込んでワイヤレス給電を行うプロトタイプを作りました。 文部科学大臣賞の「スマート雨量計」(小学校4年生)、経済産業大臣賞の「アクセル!ブレーキ!どっち?」(小学校2年生)、特許庁長官賞の「未来のランドセル」(小学校4年生)、WIPO賞の「昆虫の足裏を利用したトライアングルテープ」(中学校3年生)、そして発明協会会長賞、日本弁理士会会長賞、NHK会長賞、毎日新聞社賞、毎日小学生新聞賞、科学技術館賞と、それぞれの賞の特色に合った作品が選ばれ、さらに20点の優れた作品が奨励賞に選ばれました。 審査員たちは一つ一つの作品を様々な角度から評価し意見を交わし深く理解しました。学校で学んだことを応用して問題を解決したい、自分たちが欲しかったモノを商品化しベンチャー企業を立ち上げたい、など作者たちの情熱が伝わってきました。若い人たちにアクティブ・マインドが育まれており、親御さんや少年少女発明クラブをはじめとする全国の関係各位のご助力ご支援の賜物であると強く感じた次第です。 |
審査委員長 古屋一仁 東京工業大学名誉教授 |