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全日本学生児童発明くふう展

第77回全日本学生児童発明くふう展審査を終えて
-クリエイティブ・マインドを感じさせる作品たち-

 第77回全日本学生児童発明くふう展に、各都道府県で開催されました展覧会において優秀な成績を収めた作品を中心に756点の推薦がありました。それらの中から書類審査を通過した作品について審査幹事会で第1次実物審査を、そして後日開催の審査委員会で実物審査を行った結果、特に優れた40点を選出いたしました。
 恩賜記念賞には、東京都の私立聖徳学園小学校5年生・道脇愛羽(みちわきえこ)さんの作品「避難用縄バシゴ『斜楽(しゃらく)』」が選ばれました。災害で高所から避難するときに使う従来の縄バシゴは真下にハシゴが垂れ、足をかけると反り返って腕で体重を支えなければなりません。そこで力の弱いお年寄りや子供でも安心して安全におりられるようにと考え、階段のように傾斜する縄バシゴを考案したのが本作品です。発明する時に書かれた詳細な設計図や理論がびっしり埋まった研究ノートにも感動しました。
 内閣総理大臣賞には、北海道伊達市立伊達中学校1年生・松岡 陽(まつおか はる)さんの作品「1モーター全方位走行システム」が選ばれました。運転しやすく安全な自動車を目指し、回転力を一方向のみ伝えるクラッチを自作して、一つのモータだけで任意の方向に進むことができるシステムを作り上げました。
 文部科学大臣賞の「クルッ!と回転分別回収」(小学校3年生)、経済産業大臣賞の「模型自動車へのワイヤレス電力伝送」(工業高等学校2年生)、特許庁長官賞の「スピニング・アンブレラ」(小学校5年生)、WIPO賞の「車いす用逆進防止装置」(中学校3年生)、そして発明協会会長賞、日本弁理士会会長賞、NHK会長賞、毎日新聞社賞、毎日小学生新聞賞、科学技術館賞と、それぞれの賞の特色に合った作品が選ばれ、さらに20点の優れた作品が奨励賞に選ばれました。
 審査員たちは一つ一つの作品を深く理解するために様々な角度から評価し意見を交わしました。被災者や高齢者への思い、数の面白さや植物の不思議さへの感動、アイデアの着想や注目すべき新技術への挑戦などが発明くふうの素になったと感じます。子どもたちのクリエイティブ・マインドが着実に育まれていることを知り、これが親御さんや少年少女発明クラブの皆さん、そして全国の関係各位のご助力ご支援の賜物であるとつくづく思いました。
審査委員長
審査委員長 古屋一仁

東京工業大学名誉教授

本事業に関するお問合せ先

公益社団法人発明協会 青少年創造性グループ
TEL 03-3502-5434/E-mail 担当者へメールを送信する