1. ホーム >
  2. 発明協会の表彰事業 >
  3. 全日本学生児童発明くふう展 >
  4. 第76回 表彰式 挙行 >
  5. 答辞

全日本学生児童発明くふう展

受賞者代表 答辞

 今日は、このような素晴らしい表彰式を開いてくださり、ありがとうございます。受賞者を代表して深く感謝を申し上げます。
 僕は幼稚園の頃から何かを作ることに夢中になっていました。小さな箱から始まって、秘密基地や自転車の障害物コースを廃材を空き地に使って作ったことなど、とてもわくわくしていたことを覚えています。小学四年生になってから、地元の室蘭市青少年科学館で発明くふうに挑戦してきました。車が好きでいつも走行システムを考えています。以前に本コンクールにおいて、科学館に恩賜記念賞を受賞された方がいて、この賞に憧れていました。そんな最高の賞に認められて、夢のような気持ちです。
 学校の総合的な学習で足の不自由な方々に何か出来ないかと考えたことから今年の作品は始まりました。車椅子の不便さを知るため、体験をしました。その時、何人も簡易スロープから落ちるので、もっと安全な方法を作りたいと思いました。車輪を星形に変形すれば、車輪と階段の接地面が多くなるので、階段を直接上ることに気付きました。
 車輪を変形させる仕組みとして、回転力を直線の動きに変換するラック・アンド・ピニオンと言う歯車を使いました。円形の車輪を六枚に分けて、それぞれの端を固定します。反対の端をラックの直線運動で引き込むことで、星形の車輪に変わります。逆回転させれば円形に戻ります。平地では円形車輪で走行し、階段や段差では星形に変形出来る走行システムが完成しました。
 完成までに数え切れないくらい作り直しをしました。例えば、歯車が固すぎると歯がすぐ欠けてしまいました。逆に柔らかすぎると曲がります。部品一つ一つの材質や形、歯車の位置など沢山試しました。そもそも最初は傘を応用するなど別の発想も色々と試していました。締め切りもあって、発明を形に出来るか心配になることもありました。でも、一つ一つのことがうまく行くとわくわくしました。それに「try just one more time」とエジソンが言っています。「成功するのに最も確実な方法は、失敗してももう一回だけ試してみることだ」と言う意味です。この言葉を支えに挑戦し続けました。車輪がきちんと変形したとき、コントローラーのプログラムが完成した時の気持ちは言葉で表すことはできません。頑張って良かったと思います。
 6月からの毎週末、夏休みも毎日、作品作りに夢中になっていました。科学館では館長さん達が見守ってくれました。家族が毎日お弁当を作って、送り出してくれました。沢山の人達に支えてもらえたから発明に没頭できました。とても感謝しています。
 九歳の時に偉人達の伝記を読んでから、発明で世界を変えたいと思っています。何かを思いついても形にすることは大変ですが、エジソン達に並べるように挑戦し続けます。
 今日は、本当にありがとうございました。

受賞者代表
恩賜記念賞:車輪形状変形システム
伊達市立伊達小学校6年 松岡 陽
※学校名・学年は受賞時のものです。