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全日本学生児童発明くふう展

第75回全日本学生児童発明くふう展
審査を終えて

イノベーションを生み出す発明くふう

 第75回全日本学生児童発明くふう展には、各都道府県で開催されました展覧会において、優秀な成績を収めた作品を中心に768点の推薦がありました。それらの中から書類審査を通過した作品について審査幹事会で第1次実物審査を実施し、後日開催された審査委員会において、特に優れた41点を慎重に審査いたしました。
 今回、恩賜記念賞を受賞された作品は、千葉県君津市立南子安小学校4年生・小石川洋介さんの「がんばれ日本」です。この作品は、リオ・オリンピックを見て感動した体操の鉄棒と卓球を工作で作った作品で、手回し発電機を回すと鉄棒人形が演技をし、審判人形を台に乗せると卓球人形と玉が動いて試合が始まります。人形をいろいろ試して本物の選手のような動きができるように工夫しています。
 内閣総理大臣賞を受賞された作品は、東京都町田市立金井中学校1年生・大槻紘生さんが発明した「テープ革命」です。テープに指紋が付きにくく粘着力を低下させない作品で、特許を取得され意匠登録もされています。また、文部科学大臣賞の「鍵閉め忘れ防止装置」(中学校3年生)、経済産業大臣賞の「夏の大三角形を探せ!!~松戸プラネタリウム~」(中学校2年生)、特許庁長官賞の「パソコンキーボード併用 キー入力支援装置」(高等学校2・3年生)も、それぞれの賞に相応しい作品です。また、WIPO賞の「レバー式車イス」(小学校6年生)をはじめ、発明協会会長賞、日本弁理士会会長賞、NHK会長賞、毎日新聞社賞、毎日小学生新聞賞、科学技術館賞にも、たいへん素晴らしい作品が選ばれました。奨励賞20点もみなそれぞれに優れた作品です。
 今回は、その年の話題に関係した作品や実用的な作品、お年寄りや障害者のために考えた作品、学習に役立つ作品など、独創性に富んだ発明くふうが多くありました。審査会では、魅力的な作品の説明を受けるとともに、実際に作品に触れて子どもたちの発想や特徴に感激しながら慎重に審査をしました。この全日本学生児童発明くふう展は昭和16年にスタートし、今回で三四半世紀となる第75回を迎えましたが、子どもたちが独自の発明くふうをしているこの全国的な取組は、イノベーションを生み出す基礎力向上のために大いに貢献していると考えています。
審査委員長
審査委員長 清水 康敬

東京工業大学学長相談役・名誉教授

本事業に関するお問合せ先

公益社団法人発明協会 青少年創造性グループ
TEL 03-3502-5434/E-mail 担当者へメールを送信する