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全日本学生児童発明くふう展

第72回全日本学生児童発明くふう展 審査を終えて
実用性を兼ね備えた発想力

 第72回全日本学生児童発明くふう展には、全国47都道府県で開催されました展覧会において、優秀な成績を収めた作品を中心に782点の推薦がありました。それらの作品について審査幹事会で第1次実物審査が行われた後、審査委員会では特に優れた42点について慎重に審査をいたしました。
 今回恩賜記念賞を受賞された作品は、千葉県の君津市立中小学校6年生・前田朝陽さんの「プロジェクターX50」です。この作品は、顕微鏡で観察したときに、一人だけでなく多くの人が一緒に見ることができるように、拡大して映すことができる持ち運びが便利なプロジェクターです。スクリーンまでの距離を1mとした場合の拡大率が約50倍となることからX50と名付けています。魚のウロコや、トンボの羽、花粉などの観察学習が楽しくできます。
 内閣総理大臣賞を受賞された作品は、福島県の高校1年生たちが考案した「グラス・カッター酪DA農(らくだのう)」で、原発事故以降に検査が厳しくなった牧草等の乳牛の飼料を細かく裁断する実用的な機械を開発したものです。また、文部科学大臣賞の「ブロックde数の理解」(小学6年生)、経済産業大臣賞の「太鼓を叩く二足歩行ロボット」(中学1年生)、特許庁長官賞の「フリーポイントホチキス」(中学1年生)は、それぞれの賞に相応しいユニークな作品です。また、WIPO 賞の「未来のぼくの町」(小学3年生)をはじめ、発明協会会長賞、日本弁理士会会長賞、NHK会長賞、毎日新聞社賞、毎日小学生新聞賞、科学技術館賞には、たいへん素晴らしい作品が選ばれました。奨励賞21点もみな非常に優れた作品です。
 今回は、身近な生活の中で課題を見つけて考案された独創的な発明や実用的な発明が多くありました。審査会では、学生児童らしいそれぞれの作品の発想や特徴に感激したり、楽しんだりしながら慎重に審査をしました。この全日本学生児童発明くふう展の取組によって、多くの子どもたちが身近な課題解決のために独創性溢れる発明をしており、長年継続されてきたこの全国的な取組は、これからの日本の発展に寄与しています。
審査委員長
審査委員長 清水 康敬

東京工業大学監事・名誉教授

本事業に関するお問合せ先

公益社団法人発明協会 青少年創造性グループ
TEL 03-3502-5434/E-mail 担当者へメールを送信する