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全日本学生児童発明くふう展

第70回全日本学生児童発明くふう展 審査を終えて
~大震災からの復興を願って~

 第70回全日本学生児童発明くふう展には、各道府県の発明協会などから優秀な作品として推薦された作品が778点ありました。それらの作品について審査幹事会で第1次実物審査が行われた後、審査委員会では特に優れた48点について慎重に審査をいたしました。
 今回恩賜記念賞を受賞された作品は、千葉県我孫子市立根戸小学校5年生の作品「全自動!段差を乗り越えるロボット」です。この作品は、大震災の被災地に人が入れないことをテレビで知り、段差があっても全自動で乗り越えて進むことができる6輪駆動のロボットです。重心を前後に移動させることによって、前輪、中輪、後輪がそれぞれ持ち上がるように工夫されています。
 内閣総理大臣賞を受賞された作品は、小学校3年生が考案した「地しんだ鈴(りん)」です。地震で揺れたときに周りを明るく照らし、ラジオの地震情報を流すものです。また、文部科学大臣賞の「地球を涼しくするアスファルト」(中学3年生)、経済産業大臣賞の「赤外線リモコン二輪ロボ」(小学5年生)、特許庁長官賞の「交通案内する光通信信号機と携帯受信機」(高校3年生)は、それぞれの賞に相応しいユニークな作品です。また、WIPO賞の「がんばろう!節電」(小学6年生)をはじめ、その他の特別賞の作品には素晴らしい作品が選ばれました。奨励賞22点もみな非常に優れた作品です。
 今回は、東日本大震災の経験を踏まえた防災や節電に関連した作品が多く見られ、子どもたちが社会のニーズを敏感に感じ、学生児童らしい豊かな発想で作品を考えていました。審査会では多くの魅力的な作品の説明を受けながら質問を交えて、慎重に審査をいたしました。

 今回、昭和16年からスタートした全日本学生児童発明くふう展が記念すべき第70回を迎え、それに相応しい作品が多く考案され、独創性溢れる発明をしています。この全国的な取組が、今後の日本の発展に大いに寄与されることを期待いたします。
審査委員長
審査委員長 清水 康敬

東京工業大学監事・名誉教授

本事業に関するお問合せ先

公益社団法人発明協会 青少年創造性グループ
TEL 03-3502-5434/E-mail 担当者へメールを送信する