公益社団法人発明協会

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液晶ディスプレイ

概要

 現在、事務所、交通機関、生産現場、流通産業、家庭、学校等、至るところで液晶ディスプレイ(以下「LCD」と呼ぶ)が使用されている。LCDの出現とその利用の拡大は、ディスプレイの利用環境を一変させただけでなく、スマートフォンやノート型パソコン等、新たな製品を次々と生み出すものともなった。

 1968年6月、米国のRCA社デヴィッド・サーノフ研究所のハイルマイヤー(George H Heilmeier)達が、白濁した数字や文字を試作品に映し出すことを発表すると、日本の多くのメーカーが自社の主力製品への利用可能性に注目し、次々とこれを利用した製品を世界に先駆けて開発していった。日本のLCDの開発はわずか30年を経ずして時計や携帯機器のような小画面のものから大画面にまで幅広い製品を登場させた。LCDは、原理技術、材料技術、セル技術、駆動技術、製造技術、応用技術等を含むものであるが、特に製造技術と応用技術については日本企業の貢献が、世界市場を牽引し、LCDを一大産業に発展させるものとなった。

 現在、LCDは10兆円を超える巨大な産業に成長し、これを用いた商品は世界に展開されている。1990年代後半には我が国のLCD生産が世界のトップに立ち、2000年代前半に韓国・台湾メーカーの激しい追い上げに直面するまでの間その優れた品質により、LCD市場を席巻することとなったのである。

EL-805(1973年)

EL-805(1973年)

(画像提供:シャープ)


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