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道の駅
概要
「道の駅」は、ドライバーが安全で快適に道路を利用するための道路交通環境を提供する施設であるとともに、地域のにぎわいを創出する場所ともなっている。設置は国土交通省による登録証の発行を受け、市町村等が公共施設として建設するが、その運営は地域の創意工夫を生かした自由な発想を重視する点に特長がある。
「道の駅」が通常のドライブインやパーキングエリアと違うのは、休憩機能に加えて情報発信機能や、地域連携機能を有し、また、災害時には防災機能も発揮することである1。このため、登録にあたっては、24時間利用可能な施設運営や、親切な情報提供、更に地域住民による「道の駅」を接点にしたまちづくりが求められている2。
「道の駅」は、一般道でも高速道路にあるような休憩施設として「駅」があってもいいのではないかとの考えから提唱され、テストケースでの実験を踏まえ、1993年から設置が始まった。当初の駅数は103駅であったが、2017年11月末時点では、1134駅が全国に存在するまでになり、長距離ドライブを楽しむ人々によって、「道の駅」を巡るスタンプラリーなども活況を呼ぶまでになっている。
特に地域連携機能が発揮された駅では、地元ならではの特産品や料理、サービスの提供が活発化するとともに、地元の様々な活動拠点としても利用されるようになり、国土交通省は、こうした全国の先駆的取り組み事例のうち優れた駅6カ所を、2015年、全国モデル「道の駅」として指定し紹介している。
「道の駅」の考え方は海外でも導入がなされつつあり、世界銀行は、国土交通省と協力して、2004年に、「Guidelines for Roadside Stations “Michinoeki”」を作成している。
観光客の窓口として、更には地元住民相互のそして外来者との交流の場として発展してきた「道の駅」は、公共機関によって設置される施設であるが、その運営に地元の参加をふんだんに取り入れ、多くの人々を結合することで、にぎわいと地域経済の活性化に寄与してきたソーシャルイノベーションである。