安定成長期
フラッシュメモリ
発明技術開発の概要
舛岡が最初に考案したNOR 型フラッシュメモリは、半導体基板と制御ゲートに挟まれた絶縁膜内に浮遊ゲートと消去ゲートを併設し、この両ゲートをフィールド領域内で絶縁膜を介し重ね合わせることを特徴とする。3層多結晶シリコン(消去ゲートを追加)を使い多結晶シリコンゲートでできているフローティングゲートと消去ゲート間の絶縁膜(多結晶シリコン膜を酸化して形成されたシリコン酸化膜)に高電界を発生させてFNトンネル電流により電子を抜く構造である。
舛岡が提案したNAND型Flash構造は、複数のメモリセルを直列につなぐことで消去ゲートを追加したものである。トランジスタを直列につないだメモリセル方式は既に知られていたが、舛岡はこの方式をFlashに応用することとした。複数値のFlash素子を直列につないだうえビット線に直付けしたことにより、メモリセルの面積がほぼ1トランジスタで形成できることからセル面積を小さくでき、DRAMセルよりも小さくなる。
東芝がNANDフラッシュメモリの仕様で提案したのは次の4つである10。
1 酸化膜劣化不良を救済するメモリ構成と利用技術
2 NANDの長所を生かすHDD互換のページプログラム
3 NANDの短所を補うシリアルアクセス
4 将来のメデアカードを意識した最少ビン数のコマンドアドレス方式
この仕様は16メガビット製品以降はサムスン電子に開示し、現在のNANDフラッシュメモリの基本仕様になった。