安定成長期
プレハブ住宅
発明技術開発の概要
プレハブ住宅は、その主たる構造部材によって木質系プレハブ住宅、鉄鋼系プレハブ住宅、ユニット系プレハブ住宅、コンクリート系プレハブ住宅に分類される12。現在、約8割が鉄鋼系で占められているが、会社によってその構法は異なり、その構法がいったん決定されると相互の互換性は薄くなり、全体の技術体系としてはいわゆるクローズなものとなっている。その分、それぞれの構法の独自性が長所、短所を生み出してもいる。
大和ハウス工業のミゼットハウスは軽量形鋼の柱を使用しパネルで壁としたものである。積水ハウスは、梁や柱そして筋違も鉄骨を使用し、それに内装材などを現場で構築するユニバーサルシステムにおいて優れた成果を上げてきた。柱と梁を固く結合したラーメン構造(柱や梁に重量鉄骨を用いて両者を緊結させた構法)で頑丈な和風建築の構造を追求したのがパナホームの最初の製品である。トヨタホームは、その生産方式をいかしたラーメン構造のユニットで特徴を発揮している。旭化成ホームズは角パイプを柱とする軸組に化学部門が開発した軽量気泡コンクリートパネル(ALC)を外壁とする工法で独自性を発揮している。日本のモダニズム建築100選に選ばれた積水化学工業の「セキスイハイムM1」は、建築家大野勝彦氏との協働によって作られたユニット工法の先駆的な存在であり、徹底した工場生産比率の向上を目指すとともに斬新なデザインでプレハブ住宅に新たな一ページを切り開いた。
また、中高層建築物においては、W-PC工法(壁式プレキャスト鉄筋コンクリート工法)、R-PC工法(ラーメンプレキャスト鉄筋コンクリート工法)、WR-PC工法(壁式ラーメンプレキャスト鉄筋コンクリート工法)、SR-PC工法(プレキャスト鉄骨鉄筋コンクリート工法)をはじめ、様々な工法が実用化されている。