公益社団法人発明協会

現代まで

拡印刷(PETボトル用無菌充填システム)

概要

 印刷技術は、文化、文明の伝達媒体として古代から発展してきたが、日本の印刷業は戦前においては受注産業として出版業を支える黒子的な存在であった。

 しかし、戦後、この受注産業としての壁を超えることを目指し、その多様な技術を包装、建装材、エレクトロニクスそして情報記録材からデータ処理など広範な分野において活用し、相次ぐ画期的な製品、サービスを開発していった。とりわけ大日本印刷(以下「大日本」と呼ぶ)や凸版印刷(以下「凸版」と呼ぶ)によって開発された包装におけるフレキシブル・パッケージや無菌充填システムは食品工業等に大きな影響を与え、シャドウマスクやフォトマスクの開発等は、エレクトロニクス分野での日本の競争力強化に多大の貢献をもたらすものとなった。

 21世紀の印刷業は、もはや受注産業といった特性には縛られず、むしろその特性を生かして自ら積極的に市場を創生し、また、多くの産業のそれをサポートする産業となっている。

 この戦後の印刷産業における印刷技術を活用し、業態を変えるまでに展開されたイノベーションの連鎖が「拡印刷」である。

PETボトル用無菌充填システム

PETボトル用無菌充填システム

画像提供:大日本印刷


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