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令和8年度北海道地方発明表彰

特許庁長官賞

酵母β−グルカン含有物の製造と農業利用(特許第7822001号)


淡路 靖志

株式会社セレア 代表取締役

前川 義雄

有限責任事業組合ナイトソイル研究会 代表


 本発明は、酵母エキス等の製造残渣である酵母細胞壁から、有用物質のβ−グルカンを非酸化的な独自技術により安定的に分離・抽出し、花木や果菜類、水稲など幅広い農作物への農業用資材として実用化を図った技術である。
 未焼成の稚内珪藻土は細孔容積が大きく、水和性及び含窒素化合物の捕捉性に優れる。本発明では、乾燥酵母と混合・加水して凍結させることで細胞壁の三層構造間に物理的な解離を生じさせ、続く過熱蒸気処理により酸素が介在しにくい環境下で解離を進行させるとともに、珪質頁岩が非酵素的なメイラード反応物を捕捉して品質劣化を抑制する。さらに、超音波処理により内層と外層の細胞質を剥離させ、β−グルカン粒子の純度を高めるため、製造過程で酸化剤を使用することがない。図1及び図2は、それぞれ超音波処理前後の内層染色標本である。酵母β−グルカンは疎水性であり、細胞壁から剥離すると酵母菌体の球体構造から平面体へと変化し、検鏡画像では酵母菌体よりも大きなサイズの不定形として観察される。
 酵母残渣や地域資源である稚内珪藻土を有効活用し、資源循環型社会の実現に貢献するほか、本発明による疎水性β−グルカン資材はメイラード反応物の生成を抑制したものであり、農産製造だけでなく、酪農・畜産分野への適用も期待される。

図1 超音波処理前の内層染色標本

図1 超音波処理前の内層染色標本

図2 超音波処理後の内層染色標本

図2 超音波処理後の内層染色標本


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