中小企業庁長官賞
ピッチコントロール剤(特許第7583453号)
【大阪発明協会】
川頭 勇太 |
株式会社片山化学工業研究所 開発本部 技術研究部 紙パルプチーム |
榎本 幸典 |
株式会社片山化学工業研究所 開発本部 技術研究部 部長 |
実 施 功 績 賞
野村 安宏 |
株式会社片山化学工業研究所 代表取締役社長 |
本発明は、ワックス成分を含む段ボール古紙が原料に混入することで紙製品に生じる油滲みのような「しみ出し欠点」を抑制し、かつ従来の粘着性物質(ピッチ)に対する分散効果も有するピッチコントロール剤に関するものである。
製紙工場で障害を引き起こすピッチの成分として、天然樹脂や添加剤などに由来する合成樹脂が知られているが、近年では古紙再利用のニーズが高まる中、ロウ引き段ボールなどの古紙原料に由来するワックス系成分も問題になっている。本発明では、ワックス系成分の溶解性と、天然・合成樹脂系ピッチの分散性に優れるモノテルペン類および界面活性剤との適切な組み合わせを見出し、しみ出し欠点の抑制と従来のピッチに対する分散効果を両立したピッチコントロール剤を実現した。
本発明は幅広い原料のピッチコントロールに適用可能であり、現在、国内の7製紙工場で実施され、低グレード品や損紙の低減を通じ生産性向上に寄与している。
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