年頭所感

平成29年の新春を迎えるにあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。また、日頃より発明協会事業にご支援とご協力を賜り、厚く御礼を申し上げます。

さて、少子高齢化や資源・エネルギー問題など、我が国を取り巻く課題が山積する昨今、新たな価値を創造するイノベーションを促す社会の実現が求められております。このため、政府の知的財産戦略本部が策定した知的財産推進計画2016に基づき、本年には次のイノベーションの源泉となる知財創造教育に関し、地域社会一体で取り組む体制を支援する産学官コンソーシアムが設置される予定です。

当協会の「少年少女発明クラブ」は、元発明協会会長の故・井深大氏の提言を受け、昭和49年より活動を開始し、現在では全国各地の200を超える発明クラブにおいて約8,500人の子ども達が科学的な思考力や創意工夫する力を育む“ものづくり体験”等に参加しております。当協会としましては、前述の施策等を踏まえながら、子ども達の創造性を涵養する本クラブ事業の拡充に努めて参りたいと存じます。

また、本年7月には、「世界青少年発明工夫展」を愛知県名古屋市において開催する予定です。本展は、世界の若き発明家達が発明作品を通じたコミュニケーションを図り、クリエイティブな感性や国際的な視野を養うことを目的に開催するものです。世界各国の青少年が創作した創造性豊かな作品が多数展示され、出展者のみならず我が国の子ども達の刺激となることを期待しております。
 この世界展に加え、「全日本学生児童発明くふう展」、「未来の科学の夢絵画展」、「全国少年少女チャレンジ創造コンテスト」など、次代のイノベーター育成に資する各事業を引き続き推進して参ります。

一方、当協会の基幹事業である全国発明表彰並びに地方発明表彰においては、本年も我が国科学技術の振興と産業経済の発展に寄与すべく、全国各地の発明協会、関係機関等と連携しつつ着実な実施に努めるとともに、中小・ベンチャー企業、大学、公設試等からの積極的な応募を促すなど、本事業の一層の充実を図って参りたいと存じます。
 また、戦後の我が国を牽引したイノベーションを選定する事業におきましては、昨年6月に全105選を発表することができました。将来の我が国イノベーションの創出に貢献する基礎的な知見を蓄積すべく、解説文等成果の公表に向けた準備を進めて参ります。

本年も46道府県の発明協会及び一般社団法人発明推進協会との連携を密にし、発明の奨励、青少年の創造性育成等の諸事業に全力で取り組む所存でございますので、皆様におかれましては、今後とも引き続き当協会に対しお力添えを賜りますようお願い申し上げます。
 最後になりましたが、本年の皆様のご健勝とご発展を祈念いたしまして、年頭のご挨拶といたします。

公益社団法人 発明協会
会 長  野 間 口 有

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