年頭所感

平成28年の新春を迎えるにあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。また、日頃より発明協会事業にご支援とご協力を賜り、厚く御礼を申し上げます。

昨年は一昨年に引き続き、日本人研究者がノーベル賞を受賞されるという大変喜ばしい年でありました。医学生理学賞を受賞された大村智先生、物理学賞を受賞された梶田隆章先生の御業績は日本の科学技術水準の高さを示すものとして多くの希望を与えてくださいました。今後とも両先生に続く優れた研究者の活躍が待ち望まれるところであります。当協会は、これからも日本から優秀な研究者が多く輩出されるための基盤づくりに資するべく、発明の奨励、青少年の創造性育成等公益事業の充実強化に努めて参ります。

発明奨励振興事業として実施しております全国発明表彰につきましては、昨年より第2表彰区分の募集要件を変更し、我が国製造業を支える中小・ベンチャー企業や大学・公設試等研究機関における発明考案の表彰に努めております。今後も当協会と各道府県の発明協会が共催する地方発明表彰とあわせ、地域で活躍する中小企業、研究機関等の発明を顕彰し、我が国産業の発展に貢献して参ります。
 「戦後日本のイノベーション100選」につきましては、現在、第2次発表に向けて候補案件のとりまとめを進めております。将来の我が国イノベーションの創出に貢献する基礎的な知見を蓄積すべく、引き続き選定・発表の準備を進めて参ります。

青少年創造性開発育成事業として実施しております少年少女発明クラブ事業につきましては、各都道府県に200を超える発明クラブが活動を行っており、昨年、徳島県において開催した少年少女発明クラブ創作展では、徳島県・徳島市のご協力のもと、多くの方々にご来場いただきました。今後も地域社会と連携をとりながら、知的創作体験を通じた創造性を涵養する活動を行って参ります。
 アジア各国・地域持ち回りで開催している「世界青少年発明工夫展」につきましては、当協会の提案により昨年から絵画部門が設置され、日本からは「全日本学生児童発明くふう展」受賞者に加え、「未来の科学の夢絵画展」と「全国少年少女チャレンジ創造コンテスト」の受賞者を派遣しております。加えて、本年より「ネット美術館」(WEBサイト)を開設し、「未来の科学の夢絵画展」受賞作品と共に世界の子供達の絵画を展示する予定です。当協会は、これらの諸事業を通じて青少年の科学的思考力や創造性を高め、グローバルな視野を養う活動を一層推進して参ります。

当協会といたしましては、公益社団法人としての役割を果たすべく、本年も各地域の発明協会と協力し、科学技術の振興を図り、もって我が国経済の発展に寄与する事業に全力で取り組む所存でございます。皆様におかれましては、今後とも引き続き当協会に対しお力添えを賜りますようお願い申し上げます。

本年の皆様のご健勝とご発展を祈念いたしまして、年頭のご挨拶といたします。

公益社団法人発明協会
会 長  庄 山 悦 彦

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