年頭所感

平成27年の新春を迎えるにあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。また、日頃の当協会事業へのご支援に対し、厚くお礼を申し上げます。

当協会は、昨年、創立110周年を迎え、総裁常陸宮殿下同妃殿下御臨席の下、多数の来賓の方々のご出席を賜り盛大に記念式典を開催いたしました。これを期として、決意も新たに我が国における科学技術の振興に向けた活動の一層の充実に努めて参る所存でございます。

また、創立110周年を記念し、戦後日本の産業経済の発展に大きく寄与したイノベーションを選定する「戦後日本のイノベーション100選」を進めております。昨年6月にはアンケート投票でトップ10となったものと戦後復興期から高度成長期までの優れたイノベーションを合計38発表いたしました。引き続き高度成長期以降のイノベーション選定を進め、今後の日本のイノベーションの推進に資する事業と致したいと思っております。

さて、昨年は青色発光ダイオードの発明に貢献した日本人3名の方々がノーベル物理学賞を受賞し、また、小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げが見事成功するなど、我が国の科学技術力の高さを実感する出来事が相次ぎました。こうした優れた業績や成果を目の当たりすることは我が国産業界を大いに活気づけるとともに、未来を担う子供達にも大きな夢を与えるものとなります。当協会といたしましても我が国に活力を与える発明やイノベーションが多数生み出されていくことを支援するため、諸事業の充実に更に努めて参ります。

発明奨励事業として実施しております全国発明表彰につきましては、来年度の表彰より我が国製造業を支える中小・ベンチャー企業や大学、公設試等研究機関が一層顕彰されるよう事業の見直しを実施いたしました。また、全国8ブロックで開催しております地方発明表彰につきましても地域の活性化に寄与すべく全国各道府県の発明協会と連携しながら一層の充実を図って参ります。

青少年創造性開発育成事業につきましては、昨年度は少年少女発明クラブ事業が設立から40周年を迎え、数多くのめざましい成果を挙げました。現在、全国の200ヶ所以上のクラブにおいて約8,500名の子供達が創作活動に励んでおりますが、本年もこの成果の上に更なる向上を目指して参りたいと思っております。また、本年は全国の少年少女発明クラブにおける作品を一堂に展示する「少年少女発明クラブ創作フェスタ(仮称)」を徳島県において秋頃に開催する予定となっており、多数の創造性豊かな作品が展示されることを期待しております。更に、3名1組みで課題に挑戦する「全国少年少女チャレンジ創造コンテスト」は、本年は第6回目を迎え、知名度も高まるとともに、作品の質も毎年向上しており、今後の展開が大いに期待できる事業となっております。加えて、全国の青少年の創造性に溢れた作品が多数出品される「全日本学生児童発明くふう展」、「未来の科学の夢絵画展」につきましても一層の充実を図り、優秀な作品制作者の海外との交流も拡充して参ります。

当協会といたしましては、当協会の果たすべき使命を踏まえ、本年もこれらの諸事業に全力で取り組む所存でございます。皆様におかれましては、今後とも引き続き当協会に対しお力添えを賜りますようお願い申し上げます。最後に本年の皆様のご健勝とご発展を祈念いたしまして、年頭のご挨拶といたします。

公益社団法人発明協会
会 長  庄 山 悦 彦

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