発明協会会長賞
衝撃緩和型の船底構造を有する船舶(特許第7194466号)
【北海道発明協会】
運上 賢逸 |
運上船舶工業有限会社 代表取締役 |
本発明は、船の軽量化と船速アップに伴う船体への衝撃を緩和するための装置である。船首船底部に集中する波の衝撃や振動を軽減することで、船体の凹み、溶接剥離、亀裂を抑え、船内機器の損傷を防止し、乗員の乗り心地を改善することができる。
近年の小型船舶は軽量化とともに高速化されている一方、積載量と復原性が重視されていることから小型漁船の船底は平坦に近いため、特に波浪中の航行で船首船底部に大きな衝撃を受け船体の損傷や振動の原因になっている。本発明では、多くの小型船の船底に装備されている板や箱状の突出したキールを利用し、船首からの長さ約1/6〜1/4Lの範囲でキール底面から船底に鋭角の三角形を形成する板を装着する。平坦面が減少し水は本装置から着水するため、装置形状に沿った水の流れを作り出し、船底に直接かかる水圧を分散し衝撃を緩和する。
本発明は旧船、新船を問わず、従来の基本性能や船型、諸条件を損なうことなく比較的安価に適用することができる。また、測度法における総トン数の計算に算入されない微小容積で取り付け可能となっている。
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