発明協会会長賞
省エネ効果が持続する革新的溶湯搬送容器(特許第5659462号)
【広島県発明協会】
日野 雄太 |
JFEスチール株式会社 スチール研究所 スラグ・耐火物研究部 グループリーダー |
山口 公治 |
JFEテクノリサーチ株式会社 知財調査部 主査 |
清田 禎公 |
JFEテクノリサーチ株式会社 調査研究部 主査 |
福島 康雅 |
JFEスチール株式会社 技術ソリューション部 銑鋼室 主査 |
実 施 功 績 賞
広瀬 政之 |
JFEスチール株式会社 代表取締役社長 |
本発明は、溶湯搬送容器における断熱性と耐久性を両立させた革新的な耐火物ライニング構造(耐火物積み構造)であり、搬送中の放熱損失を従来よりも大幅に低減し、省エネとCO2削減に大きく貢献するものである。
本発明は、溶湯と接する容器内面を、ワーク耐火物層、永久耐火物層、鉄皮の三層構造とし、鉄皮と永久耐火物層の間に断熱シートを5mm以下として施工する。断熱シートの配置位置や厚みの最適化により、鉄皮表面温度の上昇を抑え、容器の長寿命化と熱損失の低減を実現している。また、ワーク耐火物の種類については、熱伝導率よりも耐用性(長寿命)を重視し、MgO−C系またはAl2O3−C系を採用する成分設計としている。
本発明により、溶湯搬送容器の耐火物を張り替えてから2年経過しても、断熱シート未施工時と比較して約45Kの鉄皮温度の低減が持続し、鉄皮からの熱損失量が25%低減した。製鋼工程におけるCO2排出量の大幅な抑制を通じ、SDGsの実現に向け貢献している。
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