文部科学大臣賞
鋼橋・港湾設備の長寿命化に資する塗装用耐食鋼(特許第4656054号)
【兵庫県発明協会】
上村 隆之 |
日鉄テクノロジー株式会社 参与 営業本部 マーケティング戦略部長 |
鹿島 和幸 |
日鉄テクノロジー株式会社 知的財産事業部 西日本知的財産推進部 |
幸 英昭 |
元 新日鐵住金株式会社 |
実 施 功 績 賞
今井 正 |
日本製鉄株式会社 代表取締役社長 |
本発明は、橋梁や港湾構造物などの塗装された鋼構造物において、構造部材の鋭角部や塗装疵部などの塗装欠陥部に発生する鋼の腐食を抑制できる耐食鋼材に関するものである。
従来、橋梁等に防食性が高い重防食塗装を施しても、塗装欠陥部の腐食進展を抑制することができない課題があった。本発明では、大気環境における塗装欠陥部の腐食は、鉄イオンと塩化物の化学反応で生ずる強い酸性溶液により進行することを解明し、耐食鋼材に添加した微量のSnがイオンとして溶け出すことで、鉄の溶解反応及び塗装欠陥部の腐食を抑制することを見出した。
本発明により、塗装鋼構造物の塗装塗り替え周期を2倍に延長し、供用期間100年間の橋梁におけるライフサイクルコストを75%縮減可能となる。また、塗装塗替え工事の回数削減により塗料由来の環境負荷物質である有機揮発性物質(VOCs)や温室効果ガスを削減でき、地球環境への負荷低減に貢献する。
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