四国経済産業局長賞
粘土鉱物を利用した園芸作物の感染症対策(特許第7080523号)
【高知県発明協会】
井澤 治 |
株式会社土佐農機 代表取締役社長 |
本発明は、農業用植物の感染症対策のため、栽培棟内を浮遊し葉面に付く病原菌に対し、天然ケイ酸塩粘土鉱石の粉体と水を混合させた懸濁水を空気流によって効率的に微粒化し噴霧する方法に関するものである。
本発明では、小型電動噴霧器においてケイ酸塩粘土の懸濁水粒子を効率的に微粒化し、2流体噴射弁を用いて大きな初速を生む気液混相流により粒子内の濃度を極めて短時間かつ大幅に上昇させる。粘土粒子の層構造は帯電性とイオン交換性により吸着性を有しており、また、浮遊し感染症を引き起こす病原菌の表面も帯電しているため、噴霧した微細粒子群が病原菌を吸着することにより病原菌の活動を制限する。
本発明を用いた少量多散布農法により植物の成長を促し、感染症への抵抗力を強化できるようになった。本発明を利用したイチゴ農家では農薬使用量が1/4〜1/5に減少するとともに、作柄が安定し品質や収量が向上しており、化学農薬を使わない栽培法として農業の安全性や生産性の改善に貢献している。
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