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令和7年度四国地方発明表彰

特許庁長官賞

薄膜の熱可塑性ポリウレタンフィルム(特許第5859805号)

【香川県発明協会】

松山 健太郎

大倉工業株式会社 新規材料事業部 機能材料BU TPEチーム 課長

高橋 誠

大倉工業株式会社 新規材料事業部 機能材料BU TPEチーム 主任

平田 祐司

大倉工業株式会社(オー・エル・エス有限会社 出向)

実 施 功 績 賞

福田 英司

大倉工業株式会社 代表取締役社長執行役員


 本発明は、薄膜の熱可塑性ポリウレタンフィルムを得るための積層体に関するものである。
 熱可塑性ポリウレタンフィルムは、柔軟性、弾力性等の優れた特性を有するが、粘着性が強く、伸びやすいため、フィルムをロール巻きした際に発生する皺等の問題があり、高品位な薄膜(膜厚8〜15μm)の製造が困難であった。本発明の積層体は、ポリウレタン層と該層に隣接する両外層にポリエチレン層(キャリア層)とを有し、両外層に結晶化熱量が異なるポリエチレンを用いる構成とした。
 ポリエチレンの結晶化熱量の違いは樹脂の結晶化度に影響し、ひいてはポリウレタン層に隣接する両外層との界面における接着面積に作用するため、上記の構成により両外層の剥離強度をそれぞれ調整し、キャリア層を所望の界面で安定して剥離させることが可能となった。
 本発明により、一方のキャリア層の剥離に追従した他方のキャリア層の部分剥離を抑制し、皺のない高品位な薄膜の熱可塑性ポリウレタンフィルムを提供できるようになった。

図1 薄膜のポリウレタンフィルムを得る方法

図1 薄膜のポリウレタンフィルムを得る方法

図2 本発明を活用した製品(医療用ドレッシング)

図2 本発明を活用した製品(医療用ドレッシング)

 

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