特許庁長官賞
成熟期後に痩せにくいブリ属養殖魚(特許第6989451号)
【宮崎県発明協会】
森島 輝 |
株式会社ニッスイ 中央研究所 大分海洋研究センター長 |
太田 史 |
株式会社ニッスイ 中央研究所 大分海洋研究センター 主任研究員 |
山下 量平 |
株式会社ニッスイ 中央研究所 大分海洋研究センター 研究員 |
実 施 功 績 賞
浜田 晋吾 |
株式会社ニッスイ 代表取締役 社長執行役員 |
本発明は、産卵期の生殖器官の肥大化に伴い成長停滞や痩せが生じ、商品価値が低下していたブリ属の養殖に関し、調節飼育環境下で飼育を行う方法により、産卵期後も痩せにくいブリ属養殖魚を得るためのものである。
従来、養殖魚の栄養状態が良いと成熟しやすく、生殖腺サイズが増大すると思われていた。しかし、本発明では生殖器官成熟期前後の育成方法を工夫することで、育成期間を短縮し、成熟期の生殖腺サイズ増大を抑制することができた。これにより、栄養制限をする必要がなくなり、同じ育成期間でも、従来の天然の稚魚などを用いた育成方法に比べて大きく育てることが可能となった。
本発明は、人工種苗を用いる利点を発揮させやすく、夏場の痩せや成長停滞がないため、通年で一定サイズ・品質での出荷が可能となった。また、事業会社の黒瀬水産株式会社において、天然の稚魚を使用しない完全養殖での事業化に成功し、環境保全や養殖事業の持続可能性に寄与している。
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