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令和6年度近畿地方発明表彰

近畿経済産業局長賞

暈し・脱色加工剤及び布製品の暈し・脱色加工(特許第7340211号)

【福井県発明協会】

松田 光夫

日華化学株式会社 化学品部門 界面科学研究所 フェロー

中山 京

日華化学株式会社 化学品部門付

杉本 雅明

エレファンテック株式会社 取締役

実 施 功 績 賞

江守 康昌

日華化学株式会社 代表取締役社長

清水 信哉

エレファンテック株式会社 代表取締役社長


 本発明は、分散染料で染色又はプリントされた布製品に対し、図柄の暈し・脱色を行う加工剤、及び加工剤を用いて布から布への再利用を可能にするための加工方法に関するものである。
 本発明の加工剤は、特定の二塩基酸ジエステルを含み、布製品から染料を移動できるため、図柄の暈し・脱色が可能となる。二塩基酸ジエステルは、生分解性に優れ、無毒性であり、皮膚刺激性がなく、揮発性有機化合物VOCに該当せず、環境や人体への影響が小さい。
 加工剤を布製品に浸し高温にして抽出される分散染料の上に紙等の移染体を重ね、適度な圧力をかけて加工剤を吸収させることで、分散染料は数十秒〜数分で移染体に完全に移行し、布製品が脱色される。昇華転写を用いることで再染色も可能であり、適切なプロセス管理の下、脱色と再染色を10回以上繰り返すことができる。
 本発明により、使用済みの広告宣伝布、染色時に発生する不良品、売れ残り品等の様々な繊維廃棄物を布製品として再利用可能となり、ゼロエミッション、サーキュラーエコノミーの実現に大きく貢献することができる。また、季節や気分に応じた衣類デザインの変更や部分的な脱色等、ファッション面での新たな事業展開も見込まれる。

本発明(ネオクロマト加工)による布製品の脱色の例

本発明(ネオクロマト加工)による布製品の脱色の例


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