【令和5年度九州地方発明表彰】
特許庁長官賞
発明のポイントをお教えください
本発明は水田において稲の株元周りの雑草を取り除く技術です。お米の有機栽培や無農薬栽培では除草剤を使用しないため、物理的に雑草を取り除く必要があります。雑草が繁茂すると養分が吸い取られ、稲の収穫量を大きく下げる要因となります。そのため、如何にして稲を傷めずに効率良く雑草のみを取り除くかが水田除草のカギとなります。本技術は、稲の根より浅い土中を回転式レーキで掻き出し、雑草のみを取り除くことを可能にしました。
苦労した点はどこでしょうか
水田は、土質、水の深さ、稲の種類などにより条件が様々です。それらの様々な条件に適応するため、全国各地の生産者の水田でテストを実施しました。除草シーズンの4〜7月は全国各地に試作機を持ち回り、テストを行うということを毎年続け、多い年には約30の生産者の水田でテストを行いました。シーズンが集中するため、チームメンバーで分担し、回転式レーキの最適な形状、回転数、雑草の巻き付き防止等の条件を絞り込み、全国各地の水田に適応する除草機構とすることができました。
受賞のご感想をお願いします
有機栽培や無農薬栽培において一番の課題が雑草対策と言われています。その除草の課題を解決すべく取り組んで参りました。その中で、この度は名誉ある賞を賜りまして、誠にありがとうございます。本技術に関してご指導いただいた先輩方をはじめ、テストにご協力いただきました全国各地の生産者、製品に関わる全ての方のご協力やアドバイスなくしては成し遂げられなかったことであり大変感謝しております。今回の受賞を励みに、より一層社会に貢献できる商品の開発に努めて参ります。
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