中小企業庁長官賞

コンクリートの表面保護剤（特許第6207859号）

【愛知県発明協会】

伊藤　満	三商株式会社　代表取締役
宇治原　成郎	三商株式会社　マテリアル事業部　開発課　顧問
後藤　夏樹	三商株式会社　生産グループ　主任
勝野　聖世	三商株式会社　製品開発室　技術主任

　本発明は、コンクリートの水等による劣化（中性化や凍害等）を防止し、コンクリート構造物の延命化と維持管理コストの削減が可能なコンクリートの表面保護剤である。
　本発明の表面保護剤は、シラン化合物からなる第１の成分と、脂肪酸またはその塩からなりイオン交換により固化し得る第２の成分とを含む。第１の成分は、撥水性を有する保護層を形成し、疎水性基と加水分解性基を有する。疎水性基はコンクリートに撥水性を付与し、加水分解性基は膜の形成やコンクリートへの結合に寄与する。第２の成分は、金属石鹸であり、コンクリートの空隙を閉塞して、水以外の物質の侵入を抑制することができる。
　本発明により、コンクリート構造物の劣化を防ぎ、維持管理にかかるコストの削減を実現した。また、塗付のみの簡易な施工によって構造物を延命できるため、インフラの老朽化対策を低予算かつ効率的に行うことが可能になる。

塗布と無塗布の比較

本発明品を塗布した表面の撥水状態