本発明は、従来の水中ポンプには存在しなかった、吸水槽水位が低下してもポンプを停止することなく連続運転を可能とする画期的な技術です。これは、機械的・電気的な制御を必要とせずに、水位の低下に応じて空気を吸い込み、ポンプの性能を自在にコントロール可能な構造とすることで実現しています。本機能によって、ポンプ本体および電気設備はシンプルな構成となり、安価で信頼性が高く、運転管理が容易な次世代の浸水対策用のポンプ設備構築に貢献します。

　本発明は、設置された地域の浸水を低減するポンプに用いられるものであり、大雨時に安定運転かつ容易に操作が可能であることが求められます。そのため、開発段階において、実際にポンプを使用する顧客の方々への幅広いヒアリングを通じて設計条件を定めました。また、実運用時に想定されるあらゆるリスクを抽出し、工場内試験および現地フィールド試験によってリスク排除を行い、信頼性の高い技術として完成させました。

　このたびは、本発明を栄えある賞に選出いただきましたことに深く感謝申し上げます。近年、地球温暖化に伴う降雨量の増加によって、各地で浸水被害が多発しています。本製品は水中ポンプであることのメリットを生かして、早期かつ安価にコンパクトで強靭な雨水排水機場の構築を可能とします。弊社は防災企業としてＳＤＧｓの根幹となる安全・安心な暮らしの実現を目指し、国内外のあらゆる地域の浸水被害の防止に貢献できるよう、今後も取り組んでまいります。