本発明は、動脈硬化の診断機能を可搬可能な小型医療機器に搭載し、場所を選ばずに動脈硬化診断に資する技術です。測定は、上腕と足首の４ヶ所に巻いたセンサカフにより、生命予後を増悪させる足首を含む、四肢局所の動脈硬化度（ＡＳＩ）を計測可能にしました。既存の血圧計等への搭載も可能で、本技術を搭載した家庭用動脈硬度計は、中国市場で上市を開始しました。

　本発明は、動脈血管の内・中膜特性を血圧測定中の脈波から抽出することで血管の硬さ判定を行っています。開発当初は脈波全体のパターン認識により算出していたため、体動や測定中の１回拍出量の変化による脈動の意図しない変化に強い影響を受けていました。そこで、内・中膜特性を１心拍ごとの圧力変化率と容積変化率で評価することにしましたが、体動等の誤差成分から真値を判定し算出することには苦労いたしました。

　この度は、中小企業庁長官賞を賜り誠に光栄に存じます。当社は「自分の子供を就職させたい会社」という経営理念のもと、魅力ある製品やサービスをお客様に提供し続けております。医学会においても本理念を受け継ぎ、革新的な医療機器の提供を行っており、当社のコアコンピタンスに加えオープンイノベーションも活用しながら、今後もより一層、患者様を第一に考えた世界基準の医療機器開発に取り組んでまいります。