【平成25年度近畿地方発明表彰】
中小企業庁長官奨励賞
発明のポイントをお教えください
長年にわたり青銅鋳物には鉛が使われてきましたが、鉛の有害性が問題化する中、鉛規制が強化されたことから、鉛フリー銅合金の開発を目指しました。
開発コンセプトとして希少金属を使わず、コストアップが少なく、リサイクルが容易な銅合金開発に取り組む中で、鉛に代わる元素の発見が大きなポイントでした。多くの成分で試みた結果、硫黄の応用が鉛の代替に最もふさわしいことが実証でき、新材料の開発成功に結びつきました。
開発コンセプトとして希少金属を使わず、コストアップが少なく、リサイクルが容易な銅合金開発に取り組む中で、鉛に代わる元素の発見が大きなポイントでした。多くの成分で試みた結果、硫黄の応用が鉛の代替に最もふさわしいことが実証でき、新材料の開発成功に結びつきました。
苦労した点はどこでしょうか
鉛の代替え材料に硫黄を検討しました。しかし、単体を青銅に添加することは危険で、硫黄を合金化させる方法の開発に困難がありました。共同研究の結果、添加する手法を開発し、硫黄を青銅中で硫化物として分散させることに成功しました。硫黄を添加した青銅に関する知見はほとんど無く、実用性を兼ね備えた合金組成を見出すのに苦労がありました。多くの試験の結果、従来材と同等以上の材料特性を有する材料の開発に至りました。
受賞のご感想をお願いします
この材料の開発には、彦根の地場産業でありますバルブメーカーで組織する滋賀バルブ協同組合が、関西大学と滋賀県東北部工業技術センターのいわゆる産・学・官連携で研究開発を行い、それぞれが受け持った研究テーマが上手く繋がったことにより開発に成功したもので、今回発明者5名が一緒に栄えある賞を受賞できたことに感謝しております。
この材料は米国でも認められ、2014年より本格的に採用されることになっております。
この材料は米国でも認められ、2014年より本格的に採用されることになっております。
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