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平成25年度東北地方発明表彰

特許庁長官奨励賞

海藻の高速攪拌塩漬法および装置の開発(特許第4457355号)

【岩手県発明協会】

石村 眞一

石村工業株式会社 代表取締役社長

小野寺 宗仲

 【受賞者の声】
地方独立行政法人岩手県工業技術センター
食品醸造技術部 主査専門研究員


本発明は,従来の振り塩式の塩漬法では1〜2昼夜を要し,連続的な生産の障害となっていた湯通しワカメやコンブの塩漬工程を,飽和食塩水中で攪拌しながら塩漬することにより,1時間に短縮化させる技術である。
本発明を実施するため,円形水槽内に攪拌翼と邪魔板を装着した独特の水流を発生させる塩漬装置を開発した。飽和食塩水1200L中で20〜23kgずつ網袋に詰めた湯通しワカメやコンブ500kgを適度に攪拌することで塩漬は1時間で完了する。塩漬中は常に飽和濃度の維持が必要であり,海藻が吸収する食塩量を予め飽和食塩水に過剰に添加するので,塩漬後の海藻の洗い作業は省略できる。ワカメとコンブの食塩吸収量の相違,コンブの形状や食塩の違いによる塩分浸透速度の相違を明らかにした。
塩漬作業の短縮・省力化が支持され,5年間で470台を受注。三陸地域の養殖ワカメ経営体での普及率は15%を超え,三陸ワカメの震災復興に貢献した。複数の当装置を導入して増産化や規模拡大を図る生産者も見られ,生産意欲の向上や後継者育成にも貢献した。

写真1 商品化した高速攪拌塩漬装置 写真2 湯通しワカメ500kgの塩漬風景
写真1 商品化した高速攪拌塩漬装置 写真2 湯通しワカメ500kgの塩漬風景

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