文部科学大臣発明奨励賞
SOS基板上のトランジスタの製造方法(特許第4817324号)
【宮崎県発明協会】
古平 貴章 【受賞者の声】 |
ラピスセミコンダクタ宮崎株式会社 生産本部 デバイス技術部 デバイス開発グループ |
実 施 功 績 賞
岡田 憲明 |
ラピスセミコンダクタ株式会社 代表取締役社長 |
本発明は、チャネル領域の不純物濃度を最終的に均一化し、閾値電圧のばらつきとリーク電流の双方を低減するシリコンオンサファイア(SOS)基板上のトランジスタの製造方法に関するものである。
SOSデバイスでは、トランジスタの高速動作を実現するためにシリコン層を極端に薄くするために想定していた低消費電力(低リーク電流)が実現できなかった。シリコン層に対する閾値電圧をコントロールする不純物の導入が、コントロール性を上げるために不純物濃度ピークを浅いところに実現するとサファイア基板界面で不純物濃度が薄くなりリーク電流が増大するという事実と、サファイア基板界面の不純物濃度を濃くすべく濃度のピークを深くすると、浅いところの不純物濃度が薄くなり閾値電圧がばらつく事実のトレードオフの関係となることを突き止めた。
不純物を複数用いて2フッ化ボロンとボロンのピークがくる深さを打ち分けることによりチャネル領域の不純物濃度を最終的に均一化し、閾値電圧のばらつきとリーク電流の双方を低減できる。
近年のスマートフォンなどに代表される高速通信LTEなどを初めとして、高機能かつ低消費電力のニーズが非常に強い分野で当該SOSのデバイスは採用され高機能携帯デバイスの普及に貢献している。
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