特許庁長官奨励賞
PTFE樹脂金属補強成形法(特許第4918576号)
【長崎県発明協会】
小川 庄一 |
中興化成工業株式会社 松浦製造部 生産第2課 技術顧問 |
実 施 功 績 賞
庄野 直之 |
中興化成工業株式会社 代表取締役社長執行役員 |
本発明は、半導体や液晶の薬液洗浄工程で使用される四フッ化エチレン樹脂(PTFE)成形品において、補強材の挿入を可能にする製造方法によって、高剛性、高い寸法精度のPTFE成形品を得ることを可能とするものである。
PTFEは、耐熱、耐薬品性においては最も優れた材料であるが、その他のスーパーエンジニアリングプラスチックと比較して剛性が劣るため、高剛性化が望まれていた。PTFEは、その他スーパーエンジニアリングプラスチックと異なり、溶融粘度が極めて高く、一般の押出、射出などの成形方法が適用できない。このため粉末状のPTFEを常温で予備成形した後、電気炉にて加熱し粒子を焼結するが、収縮率が大きく補強材を挿入すると残留応力が生じ、その結果PTFEが破断したり補強材が変形するといった問題が発生した。
本発明は、PTFE粉末中に互いに隙間を隔てた状態で接合パイプにより連結された補強材が挿入された予備成形品を焼成して得られる成形品である。
本発明の効果は、補強材が挿入された予備成形品を収縮自在な構造とすることによって、高剛性で残留歪の少ない成形品を得る事が可能となり、成形品に高温や高液圧が付加されても長期間安定して高い寸法精度を保持することできる。
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