【平成24年度関東地方発明表彰】
文部科学大臣発明奨励賞
氏名: | 山崎 功夫 |
会社名: | 株式会社日立ハイテクノロジーズ |
役職: | 科学・医用システム事業統括本部 科学・医用システム設計開発本部 医用システム第一設計部 主任技師 |
発明の名称: | ダブル試薬ディスク分析装置 |
特許第3914837号【受賞発明の内容】 |
発明の概略についてお教えください
病院や検査センタで使われる生化学自動分析装置では,複数の反応容器に検体と試薬を順次分注し,反応過程を光学的に分析することで血液中の各種成分の濃度を測定します。本発明は,分析に用いる2種類の試薬を,2つの試薬ディスクの両方に搭載可能にし,交互に分注動作させるものです。それにより動作時間のロスの発生が少なくなり,かつ試薬交換の労力を大幅に減らせるパッケージ試薬の使用を可能にしました。
苦労した点はどこでしょうか
2つの試薬ディスクを用いる装置では2種類の試薬を別々の試薬ディスクに配置するのが当時の常識でした。その思い込みを排除することで生まれたのが本発明です。しかし,分析装置には試薬ディスクと分注系だけでなく,撹拌,検出,洗浄など多数の機構が必要で,それぞれの位置関係に制限があります。何十通りのレイアウト案を作成した中から実現性のある配置を選び出すことができ,初めて発明を完成させることができました。
受賞のご感想をお願いします
名誉ある賞をいただきまして,誠にありがとうございます。どんな発明も,使われてこそ価値があります。本発明を搭載した製品は,高速化を達成するための技術課題など様々な困難を乗り越えて実現しました。今回の受賞は関係者全員の努力が評価されたものと認識しています。貴重なご意見をいただいた試薬メーカの方々や,製品化に向けて力を合わせた開発部門,生産部門,営業部門の皆様に深く感謝いたします。
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