【平成23年度東北地方発明表彰】
文部科学大臣発明奨励賞
発明の概要について教えてください
新たな地域資源の有効活用として、今まで廃棄されていた「摘果桃」に着目し、新たな食材として「若桃の甘露煮」を開発いたしました。本発明では、生原料を冷凍させ果肉内部まで細胞破壊を行うことで、果肉全体を均一した食感に仕上げることが可能となりました。また、包装容器内に原料とシロップを封入し味付けを行うことで、大幅な製造時間の短縮を図ることができるようになりました。本発明品は、業務用具材として主におせち、ケーキ、和菓子等に利用されております。
苦労した点はどこでしょうか
いままで扱ったことのない原料を製品化するということで、全てが試行錯誤の連続でした。皮むきや煮込みの最適な時間や温度を把握するために、小さい鍋で何度も条件を変えながら原料を処理し、最終商品に与える影響を分析するのに非常に苦労しました。また、硬核期(種子が硬くなり始める時期)を過ぎてしまった摘果桃については、本製造方法においても種子の硬さが残ってしまうために、初年度については数十トンの原料を廃棄いたしました。
受賞のご感想をお願いします
このような名誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。弊社は、現在3つの特許を取得しておりますが、そのうちの一つがこのような形で受賞できたということで、うれしいと同時に非常に驚いております。試作には予算が必要となりますが、国や県からの補助制度の認定を受け資金的な支援をいただくことができました。また、アドバイザーの皆様には特許取得まで親切丁寧にご指導いただくこともできました。この場をおかりして感謝申し上げます。
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