発明の概要について教えてください

DVDとCDは異なる波長の光を使ってディスクの情報を読み取っていますが、1990年代後半に、それぞれの波長を一つのパッケージに収めた2波長レーザが開発されました。このレーザを用いた光ピックアップにおいて、DVD/CDのそれぞれの受光部を一つのパッケージに収め、その出力を同一端子から選択的に取り出す方法が本発明です。これは端子数の削減に貢献し、現在のDVD/CD光ピックアップのデファクトスタンダードとなり利用されています。

苦労した点はどこでしょうか

当時DVDを普及させるに当たり、低価格・高生産性の光ピックアップ開発が急務でした。三洋電機の光ピックアップは集積部品を使わず、個別の光学部品を組み上げるディスクリート光学系であるため、部品点数や端子数の削減が開発の要でした。このため今回の発明自体は必然的に生まれたと考えていますが、2波長レーザ光ピックアップは当時初の試みであったため、実際の試作品が完成し正常に動作するまでは試行錯誤の毎日でした。

受賞のご感想をお願いします

このような栄えある賞をいただき、誠にありがとうございます。この技術を発明した当時は、新しいメディアであるDVDを普及させるために、光ピックアップの開発に日々無我夢中で取り組んでおりました。新しい事にチャレンジした結果が今回の受賞に繋がったのではないかと思っております。また、当時開発を共にしたチームのメンバー、試作部品等でお世話になった企業の皆様方に、この場を借りて御礼申し上げます。