【平成23年度北海道地方発明表彰】
文部科学大臣発明奨励賞
発明の概要について教えてください
黒板に使用されるチョークは、折れにくい(高い折損強度)、粉の飛散が少ない、黒板拭きでの消去が容易、書き味が滑らか、描線が鮮明などの特性が求められています。ホタテ貝殻を所定の粒径に調整した粉末が縦横比のある棒状の粒子である事に着目し、これをチョークの原料として配合することで補強効果が得られることを発見。従来品と比べ折損強度を向上させることや、その折損強度を保持したまま、より滑らかな書き味や描線の鮮明さ等を向上させることが可能となりました。
苦労した点はどこでしょうか
この発明は処理に困っているホタテ貝殻を活用し環境にやさしいチョーク作りを目指している過程で偶然生まれたものです。製品化の過程においては、エコ認定基準の60%配合にこだわり研究を続けていましたが、チョーク特性のバランスやコストを考慮すると10%前後の配合がむしろ従来品より優れた機能を発揮するポイントを発見。年間5000万本の全生産品に配合することを決め総量で環境に貢献する事に繋がりました。
受賞のご感想をお願いします
「北海道で処理に困っているホタテ貝殻を毎日作っているダストレスチョークに使って貰うと助かる」と声をかけて頂き長い間、共同研究で多大の技術支援を頂きました北海道総合研究機構工業試験場の皆様、ホタテ貝殻の粉砕技術で協力を頂いた仕入先様があってこそ実用化に成功し栄えある賞に繋がりました事を感謝申し上げますと共に、先生達から「ホタテチョーク良くなりましたね」とお声を掛けて頂きお役に立った事に喜びを感じています。
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