特許庁長官奨励賞
バンコマイシンを有効成分とする眼軟膏剤(特許第3502574号)
【富山県発明協会】
笠間 俊男 |
東亜薬品株式会社 前専務取締役研究開発本部長 |
能登 満 |
東亜薬品株式会社 生産本部品質管理部 部長 |
小黒 享 |
東亜薬品株式会社 研究開発本部製剤研究部 次長 |
花染 功 |
東亜薬品株式会社 研究開発本部開発企画部 課長 |
建川 礼奈 |
元 東亜薬品株式会社 |
実 施 功 績 賞
中井 敏郎 |
東亜薬品株式会社 代表取締役社長 |
治療が困難で重症に陥りやすく、大きな問題となっているMRSA眼感染症に対し、感染病巣内への移行性が高く、刺激が少なく、かつ、長期間安定な、極めて有効なバンコマイシン眼軟膏剤を提供した。
MRSA眼感染症は、著しく重症に陥りやすく、時には失明に至ることもある。抗MRSA薬であるバンコマイシンには経口製剤及び注射製剤があるが、これらは眼への薬剤移行率が悪く、組織刺激性もあった。さらに、水溶液中で不安定なため、点眼液や眼軟膏の状態で長期間保管することは難しいなどの問題があった。本発明は、油脂性の基剤に、塩酸バンコマイシンを0.01〜5.0%含有させた眼軟膏製剤である。
本発明により、結膜や角膜への移行性に優れ、長時間滞留し薬物を放出することができる治療上の有効率が高い製剤となった。また、油脂性の基剤により眼刺激性がほとんどなく、長期にわたって安定な製剤を提供することができた。
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