【令和7年度中国地方発明表彰】
中小企業庁長官賞

発明のポイントをお教えください
乾燥庫内を密閉構造とし、庫内の乾球温度(設定温度)、湿球温度(設定湿度)を自動制御します。設定湿球温度以上になると、ダンパーが開き自動で吸排気を行います。残った空気(温められ熱量の高い湿った空気)は庫内を循環し再利用されます。そのため、熱源の使用頻度が大幅に減り、燃費削減が可能となります。乾湿球制御により、乾燥物の品温を上げ「内部拡散」を促進させ、また乾燥物の「表面硬化」を抑制することにより、スムーズな乾燥(脱水)を行うことが可能となり、乾燥物の変形や色調変化を抑えることができます。
苦労した点はどこでしょうか
機械(ハード)面では、お客様のニーズにお応えできる機械スペック設計方法(必要風量・必要熱量計算、風の流れシミュレーション、庫内各部の圧力計算等)の設定に時間を有しましたが、最も苦労した点は、お客様の求められる乾燥仕上がり品質を実現させる「乾燥プログラム」の構築です。対象となる乾燥物(食品)の数が多く、また乾燥物の初期状態(糖度・色・大きさ等)がさまざまな状態であるため、知識・経験・情報・アイデアが求められます。今現在も試験乾燥を繰り返し、絶えず乾燥データを蓄積しています。
受賞のご感想をお願いします
中小企業庁長官賞受賞の栄に浴し大変光栄に存じます。熱風乾燥における「湿度コントロール乾燥技術」の優位性・合理性について、この度の受賞を通じて広く関心を持っていただければうれしく思います。「乾燥」という世界では、様々な乾燥方法が研究されていますが、熱風乾燥は更なる進化の可能性を秘めた乾燥方法です。人類・社会の進歩発展に貢献できるよう、優れた技術と製品の開発に向けて精進して参ります。
Copyright©1996- Japan Institute of Invention and Innovation All rights reserved