特許庁長官奨励賞
速硬化型非ハロ難燃エポキシ樹脂プリプレグ(特許第5250972号)
【愛媛県発明協会】
| 本間 雅登 | 東レ株式会社 複合材料研究所 研究主幹 | 
| 土谷 敦岐 | 東レ株式会社 複合材料研究所 名古屋駐在 主任研究員 | 
| 本田 史郎 | 東レ株式会社 化成品研究所長 | 
| 澤岡 竜治 | 東レ株式会社 複合材料研究所 研究員 | 
| 中原 こよみ | 元 東レ株式会社 複合材料研究所 | 
実 施 功 績 賞
| 日覺 昭廣 | 東レ株式会社 代表取締役社長 | 
 本発明は、エポキシ樹脂プリプレグ(炭素繊維基材にエポキシ樹脂を含浸させた成形材料)に関し、さらにこのプリプレグを成形して得られる炭素繊維複合材料の積層板に関するものである。本発明のプリプレグを用いることで、電子機器用途に求められる高度な難燃性と、数分オーダーの厳しい量産性を両立することができる。
 (発明の内容)特定のリン系難燃剤と、高融点かつエポキシ樹脂への難溶解性のジシアンジアミド系硬化剤、および高融点かつ高活性のウレア系硬化促進剤とを併用することで、硬化温度での反応挙動を制御することに成功(図1)し、常温でのプリプレグの取扱性を阻害することなく硬化時間を従来の1/10に短縮するとともに、厚み0.6mmレベルの薄板におけるUL規格V−0を満足する難燃性を実現した。
 (発明の実施効果)本発明のエポキシ樹脂プリプレグは、UL規格V−0を満足する難燃性を有する積層板を与え、かつ数分オーダーの硬化時間をも満足するため、量産性が要求されるノートパソコン等の電気・電子機器筐体に好適である(図2)。本発明のエポキシ樹脂プリプレグを用いた筐体は、国内外で年間100万台以上の生産実績を有し、炭素繊維複合材料の産業用途拡大に貢献している。今後も、電子機器用途、自動車用途、航空機用途など、難燃性、量産性が要求される用途への展開が期待される。
Copyright©1996- Japan Institute of Invention and Innovation All rights reserved

