公益社団法人発明協会

安定成長期

半導体露光装置(ステッパー)

参考文献等

  1. フォトマスクとも呼ばれる。また、ステッパーではレティクルと称されることもある。
  2. ニコンホームページ「投資家情報 精機事業の強み」<http://www.nikon.co.jp/ir/individual/company/precision/index.htm>(2017年1月28日アクセス ※現在リンク切れ)を参照。なお、ステッパーは高額な装置で、10億円程度から最新機種では50億円超のものもある。
  3. 以下の記述の多くは、主として次の文献によるものである。高橋一雄「露光装置技術発展の系統化調査」『技術の系統化調査報告 第6集』(国立科学博物館、2006年)、奥山幸祐「半導体のはなし 第24回 半導体の歴史-その23 20世紀後半 超LSIへの道-超エル・エス・アイ技術研究組合(3)と日本工学工業におけるステッパー開発経緯」SEAJ Journal 2012 Vol.3 No.137(2012年)、廣田義人「半導体露光装置ステッパーの開発、普及とその要因」田中一郎 外 編『技術と文明』(日本産業技術史学会、2001年)
  4. マスク製作用の装置で、「回路パターンの原画を10分の1に縮小して1枚のマスク上に並べて描画する装置」。高橋・前掲注(3)120頁
  5. マスク製作用の装置で、「マスクを移動させながら、順次開口部から露光光をマスク上に塗布した感光材に照射して10倍の大きさの回路パターンをマスク上に形成する装置」。高橋・前掲注(3)120頁
  6. 1つの回路作成に際して、回路パターンを何度も露光する必要があるため、位置ずれが起こらないようにする重ね合わせの機能。
  7. フォトリピーター、パターンジェネレーターは元来回路パターンの原画であるマスク製造用に開発されたが、導入予定の電子ビーム描画装置はウェハ上に回路を直接描く方式であったため、投影の対象をマスクからウェハに仕様変更した。廣田・前掲注(3)32頁
  8. 奥山幸祐「半導体のはなし 第21回 半導体の歴史-その20 20世紀後半 超LSIへの道-超エル・エス・アイ技術研究組合(1)」SEAJ Journal 2011 Vol.9 No.134(2011年)28-29頁
  9. 経済産業省「これまでの国家プロジェクトの変遷」(産業構造審議会産業技術分科会研究開発小委員会(第31回)配付資料 資料5、2011年)
  10. 奥山幸祐「半導体のはなし 第22回 半導体の歴史-その21 20世紀後半 超LSIへの道-超エル・エス・アイ技術研究組合(2)」SEAJ Journal 2011 Vol.11 No.135(2011年)13頁
  11. 奥山・前掲注(10)13頁
  12. 廣田・前掲注(3)35頁
  13. 奥山・前掲注(10)15-16頁
  14. 1時間当たりに処理できるシリコンウェハの枚数を表す。詳細は以下を参照。ニコンホームページ「半導体テクノロジー 3.半導体製造のために集約されたニコンの技術」<http://www.ave.nikon.co.jp/semi/technology/story03.htm>(2017年1月28日アクセス ※現在リンク切れ)
  15. 廣田・前掲注(3)35頁
  16. 奥山幸祐「半導体のはなし 第23回 半導体の歴史-その22 20世紀後半 超LSIへの道-ホトリソグラフィ技術と、その成り立ち(1)」SEAJ Journal 2012 Vol.1 No.136(2012年)43-44頁
  17. 半導体露光装置の性能を決定するレンズの解像度、スループット、重ね合わせのアライメント精度の3つの要素。廣田・前掲注(3)35頁、ニコンホームページ・前掲注(14)
  18. 「ガラスや鏡面に細かい溝を設け、そこを通過する光を回折、干渉させてスペクトルを得る光学部品」としての回折格子(分光器の部品)を製造する工作機械。詳細は、奥山・前掲注(3)29頁参照。回折格子の用途は様々であるが、近年は光を鮮明な色に分光するフィルターとしてカメラにも用いられる。
  19. 「光を電気信号に変換して、視覚に捉えられないものを読み取る装置」。奥山・前掲注(3)30-31頁
  20. 1970年ごろにはGCA側にデザインを提示したが採用されず、自社内で研究を続けていた。廣田・前掲注(3)35頁
  21. 奥山・前掲注(3)31頁
  22. 廣田・前掲注(3)36頁
  23. ニコンホームページ「半導体装置事業の歩み」<http://www.ave.nikon.co.jp/semi/history/>(2017年1月28日アクセス ※現在リンク切れ)
  24. キヤノンホームページ「テクノロジー キヤノンのR&D イメージング開拓史 新たな価値を生み出し続ける光学技術」<http://web.canon.jp/technology/approach/history/op-tech.html>(2017年1月31日アクセス ※現在リンク切れ)
  25. 焼き付けの際の位置合わせを手動で行う方式のものである。特に、1976年に開発された縮小投影型のファインパターンプロテクションアライナー(FPA-141)はステッパーの草分けとされる。奥山・前掲注(16)43頁
  26. 廣田・前掲注(3)33頁
  27. 当初はマスク上の回路パターンをウェハに密着させて転写するコンタクトアライナーの開発を目指していたが、接触によるダメージの問題があり、かつ後発でもあるため、新たな方式としてマスクとウェハの間を離して回路パターンを転写するプロキシミティアライナーが考案された。廣田・前掲注(3)33頁、高橋・前掲注(3)133頁
  28. 当時の露光装置は、マスクとウェハの重ね合わせ機能に重点を置いてアライナーと称されていた。奥山・前掲注(16)42頁
  29. 高橋・前掲注(3)133頁
  30. 1973年に米国パーキンエルマー社により最初に発表されたこの装置は等倍投影露光装置とも呼ばれ、現在は主として、液晶ディスプレーパネル製造に用いられている。高橋・前掲注(3)126頁
  31. 廣田・前掲注(3)34頁  ※特公昭60-39205号(1975年7月2日出願)
  32. 開発された露光装置はミラープロジェクションアライナーとも称される。キヤノンホームページ・前掲注(24)
  33. キヤノンホームページ・前掲注(24)
  34. 半導体露光装置は日本企業が得意としてきた「擦り合わせ」(インテグラル)型製品とされているが、ASMLは製品全体を複数の独立したユニット(モジュール)に分けて製造する方式を採っているとされる。そこでは、ニコンやキヤノンと違い、多くのユニットをアウトソースすることにより、コストを削減、量産化を可能にし、シェア拡大を実現している模様である。中馬宏之「「モジュール設計思想」の役割-半導体露光装置産業と工作機械産業を事例として」青木昌彦=安藤晴彦編著『モジュール化 新しい産業アーキテクチャの本質』(東洋経済新報社、2002年)。廣田・前掲注(3)51頁も参照
  35. レンズの素材として重視され、ニコン製ステッパーが世界一のシェアを確保する大きな原動力にもなった。廣田・前掲注(3)41頁
  36. 米国のマイクロファイルシステムを導入して、歴史的資料を縮写するプロジェクトがあり、従来のレンズでは字画の多い漢字を識別できない問題があった。ニコンホームページ「製品情報 レンズ ニッコール 歴史 3歴史をつくったレンズたち」<http://www.nikkor.com/ja/history/03.html>(2017年2月22日アクセス ※現在リンク切れ)
  37. プレーナー技術でキーとなるプロセスはマスクの回路パターンをウェハ上に転写するリソグラフィ(フォトリソグラフィ)技術(露光技術)で、ステッパーが関与する工程である。詳細は、日本半導体歴史館ホームページ「プロセス技術 1960年代コンタクト方式リソグラフ技術によるシリコンデバイスの製造」<http://www.shmj.or.jp/museum2010/exhibi411.html>(2017年2月22日アクセス)、奥山・前掲注(16)41頁
  38. 1ミリメートルで白黒対のストライプ線400本が判別可能な解像度である。1964年には、脇本らはさらに改善を重ねて、当時世界最高水準と言われた同1200本を判別できる解像度の製品開発に成功している。ニコンホームページ「光に、挑む。ニコンの100年 1946~世界の総合光学機器メーカーへ」<http://www.nikon.co.jp/100th/history>(2017年2月22日アクセス ※現在リンク切れ)、奥山・前掲注(3)28-29頁
  39. 廣田・前掲注(3)43頁
  40. 奥山・前掲注(3)29頁
  41.  奥山・前掲注(3)30頁
  42. レーザー干渉計を備えた高精度のXYステージ開発、ダイヤモンドカッターの研磨技術などは内製化の対象となった。奥山・前掲注(3)30頁
  43. 1974年には、新しいルーリングエンジンにより、回折格子の量産化が実現することになる。奥山・前掲注(3)30頁
  44. 奥山・前掲注(3)30頁
  45. 廣田・前掲注(3)40頁
  46. 縮小倍率は1980年代当初の10分の1から徐々に変化しているが、これはサイズが拡大するウェハ1枚当たりのショット数を減らし、処理時間を短縮化するために生産技術面から採用されている措置である。高橋・前掲注(3)146頁
  47. 解像度は露光光源の波長に比例し、レンズの開口数(NA)に反比例するというものである。簡潔に言い換えれば、解像度を改善する(小さくする)ためには、露光光源の波長を短くするか、レンズの口径を大きくすることが必要とされる。佐藤淳一『図解入門よくわかる最新半導体製造装置の基本と仕組み』(秀和システム、2010年)91頁
  48. 開口数は2000年ごろには0.7を超える水準に達している(理論的な上限は1とされる)。佐藤・前掲注(47)91頁、廣田・前掲注(3)45-46頁
  49. 水銀ランプが発する輝線スペクトルと呼ばれる紫外線で、波長はg線436ナノメートル、i線365ナノメートル。フッ化クリプトンと呼ばれるKrFのエキシマレーザーの波長は248ナノメートル。1ナノメートルは10億分の1メートルである。佐藤・前掲注(47)92頁
  50. 水銀灯の光源を用いたg線、i線では光学ガラスのレンズを利用できるが、KrFエキシマレーザーを光源とする場合、透過率確保のために極めて高額な合成石英レンズの利用が必須となる。また、材料費削減のため、ステッパーの転写構造を効率の良いものに変えるなど、日本メーカーは様々な革新を施すことにより対応している。廣田・前掲注(3)44-46頁
 
その他、参考文献
  • 「砥石」と「研削・研磨」の総合情報サイト 砥石や研磨材から広がる工業リンク集【目次】 ステッパーメーカーの一覧<http://www.toishi.info/link/stepper.html>(2017年2月27日アクセス)
  • 中馬宏之「半導体産業に関するイノベーションプロセスの調査・研究-電子顕微鏡・レジスト・パッケージング技術に関するケーススタディ分析」<https://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/bitstream/10086/25582/3/070iirWP13_11.pdf>
  • 龜山雅臣「光リソグラフィの技術進化 -相変化プロセス一般化の試み-」IIR Working Paper No.13-11(2013年)
  • 精機学会大越記念会記念賞受賞業績一覧表<http://www.jspe.or.jp/wp/wp-content/uploads/activity/sho_oogoshi.pdf>
  • 機械振興協会賞受賞業績一覧表<http://www.jspmi.or.jp/tri/prize/jspmip/JSPMIP11_20.html>

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