特許庁長官賞
秋田杉テルペンを含有する除菌用エタノール(特許第6800454号)
[秋田県発明協会]
進藤 昌 |
秋田県総合食品研究センター 醸造試験場 場長 |
本発明は、杉葉に含まれるテルペンを利用した、人体や環境に優しい低濃度除菌用エタノールの製造方法に関するものである。
本発明では、エタノールを含む水溶液に杉葉を配合し、減圧蒸留を行って杉葉テルペンを含むエタノール濃度50%の蒸留物を回収する。得られたエタノール蒸留物は、その除菌力を杉葉テルペンが補完し、従来の除菌用エタノールと同等の微生物殺菌能を維持する。さらに、脳波計を用いた試験により本除菌用エタノールの香りが、リラックス効果を示すことを実証した。
本発明の実施により製造された製品は、低濃度エタノールゆえに手指に優しく、噴霧した際に発生する杉葉由来の香りにリラックス効果があるほか、テーブルやドアノブなど室内で人が接触する個所を、従来の除菌液製品と同レベルで除菌できることから、人が多く集まる施設などにおいて室内の清潔性の維持が可能になるとともに、施設利用者へ癒しを提供することも期待される。
図1
秋田杉葉のテルペン成分を含む除菌用エタノール製造のための減圧蒸留方法
図2
低濃度エタノールと杉葉成分の相乗効果による微生物への殺菌効果
大腸菌及び黄色ブドウ球菌に対して杉葉成分を含んだエタノールの方が殺菌能上昇
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