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令和5年度近畿地方発明表彰

文部科学大臣賞

新規な肝線維化検査方法(特許第5031928号)

【兵庫県発明協会】

成松 久

(国研)産業技術総合研究所 名誉リサーチャー、(株)RCMG 会長

池原 譲

(大)千葉大学 大学院医学研究院 教授
(国研)産業技術総合研究所 生命工学領域 創薬基盤研究部門 上級主任研究員

久野 敦

(国研)産業技術総合研究所 生命工学領域 細胞分子工学研究部門
分子細胞マルチオミクス研究グループ 研究グループ長
(大)筑波大学 グローバル教育院 教授兼務

溝上 雅史

(国研)国立国際医療研究センター 研究所 ゲノム医科学プロジェクト プロジェクト長

田中 靖人

(大)熊本大学 大学院 生命科学研究部 消化器内科学講座 教授
(大)熊本大学病院 副病院長

伊藤 清顕

(学)愛知医科大学 内科学講座(肝胆膵内科)教授

曽我部 万紀

元 (国研)産業技術総合研究所、(株)RCMG 研究員

松原 俊介

シスメックス(株) 診断薬生産本部 第一生産部 製造一課 一係

鶴野 親是

シスメックス(株) コーポレートコミュニケーション本部 IR部 部長

高浜 洋一

シスメックス(株) 診断薬エンジニアリング本部 主幹技師

香川 孝司

シスメックス(株) 診断薬生産本部 第一生産技術開発部 生産技術課 課長

実 施 功 績 賞

石村 和彦

(国研)産業技術総合研究所 理事長兼最高執行責任者

郡 健二郎

(大)名古屋市立大学 理事長

國土 典宏

(国研)国立国際医療研究センター 理事長

浅野 薫

シスメックス(株) 代表取締役社長


 本発明は、血液検査によって肝臓の線維化(肝線維化)の進行度を把握する肝線維化検査方法である。
 肝炎を処置せず放置すると、肝臓は長年かけて線維化し、肝がんへと進行することもあるため、肝線維化の進行度を把握して治療を行うことは重要である。肝線維化検査の標準法では、腹部に生検針を刺し肝臓の一部を採取する手術をともなう検査のため、強い侵襲性、高額な検査費用等の課題があった。
 本発明では、肝線維化の進行により、血液中のタンパク質M2BPの糖鎖が微小に構造変化した糖鎖修飾異性体(M2BPGi)が増加していることを見出し、この変化した糖鎖と特異的に結合するWFAレクチンを用いることで、肝線維化の進行度を把握する。
 本発明により、侵襲性が低く、簡便で安価な血液検査によって肝線維化の進行度を把握できる。このため、自覚症状のある患者だけでなく、自覚症状のない幅広い受診者にも展開することができ、肝硬変や肝がんの早期治療が容易となるので、医療費の削減に繋がることが期待される。

M2BPGi測定の概要図

M2BPGi測定の概要図

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