文部科学大臣賞
飛行時間型質量分析装置(特許第6989005号)
【京都発明協会】
工藤 朋也 |
株式会社島津製作所 分析計測事業部 ライフサイエンス事業統括部 MSビジネスユニット 主任 |
実 施 功 績 賞
山本 靖則 |
株式会社島津製作所 代表取締役社長 |
本発明は、外乱(室温変化や発熱変化)の影響を抑制し、イオン飛行部全体の温度を素早く均一かつ一定に安定させることができる高精度温度制御システムに関するものである。
飛行時間型質量分析装置ではイオン飛行部の熱膨張により質量誤差が生じる。従来の温度制御では、真空中かつ大きなイオン飛行部の温度ばらつきや伝熱時定数が大きく、外乱によるイオン飛行部の温度変化や安定化時間に課題があった。そのため質量較正を頻繁に行う必要があり、装置内汚染による感度低下などの問題があった。
本発明では、複数のヒータと温度センサを最適配置し、真空チャンバ内面の輻射率向上処理により伝熱効率を向上させ、さらに真空チャンバと筐体との接続部材により発熱の影響を低減した。
本発明により、質量較正の手間と較正用高濃度サンプルを大幅に削減でき、装置の設置環境によらずいつでも簡単に1ppmレベルの高精度な質量分析を行うことが可能になった。
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