特許庁長官賞
アーク放電型マグネトロンスパッタリング装置(特許第6577804号)
【兵庫県発明協会】
寺山 暢之 |
神港精機株式会社 装置事業部 真空装置技術部 マイスター |
石田 陽一郎 |
元 神港精機株式会社 装置事業部 真空装置技術部開発課 |
実 施 功 績 賞
北中 隆司 |
神港精機株式会社 代表取締役社長 |
本発明は、マグネトロンスパッタ機構の前面に低電圧大電流のアーク放電機構を付加したことで、基板に入射するイオン量を増やし、緻密で硬い、平滑な反応膜を形成可能にするものである。
本発明では、マグネトロンスパッタ装置のターゲット直上にタングステンフィラメントを張り、スパッタターゲットの外周にあるアースシールド間でアーク放電を起こす機構を追加した。従来のマグネトロンスパッタ放電と比較して10倍密度の高いプラズマが形成できるようになり、反応性窒化膜においては従来の5倍以上の硬度を持つ、緻密で平滑な摩擦係数の低い被膜が得られるようになった。
本発明により、工具・刃物・精密金型の寿命アップを目的としてTiAlN、AlCrSiNなどの合金窒化膜の成膜が可能となる。また、緻密性の高い膜質を利用した電子部品への応用や、高い熱伝導特性によって絶縁性と冷却性を両立した新材料の開発など、研究開発の課題解決にも貢献することができる。
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