発明協会会長賞
燃料電池用ガス拡散電極基材(特許第5954506号)
【滋賀県発明協会】
岨手 勝也 |
東レ株式会社 環境・モビリティ開発センター 部員 |
千田 崇史 |
東レ株式会社 コンポジット技術第1部 主席部員 |
菅原 透 |
東レ株式会社 コンポジット技術第1部 主任部員 |
安藤 隆 |
東レ株式会社 環境・モビリティ開発センター 第1開発室長 |
実 施 功 績 賞
大矢 光雄 |
東レ株式会社 代表取締役社長 |
本発明は、燃料電池用ガス拡散電極基材の内部構造を特定の構造とすることにより、燃料電池に求められる水のスムーズな排出を促すものである。
ガス拡散電極は炭素繊維からなる炭素シートに撥水処理を施すことで排水性を付与する手段が取られてきたが、さらなる排水性向上のために撥水処理を強化すると電気抵抗が増大する課題が生じた。これに対し、炭素シートの厚さ方向の充填率(炭素繊維+結着材が占める割合)を図2のとおり調整することで排水性が飛躍的に向上することを見出した。具体的には、①触媒層で発生した水が撥水性の炭素シート内部において充填率が低いセパレータ側へ自発的に流れる効果と、②セパレータに接する側の炭素シートの剛性を高めてセパレータのガス流路に炭素シートが撓み込むことを抑制し、ガス流路を閉塞させない効果により排水性を向上させた。
本発明により、従来の化石燃料を燃焼させるガソリン車から二酸化炭素を排出しない燃料電池車への代替を促すことで、脱炭素化ならびにゼロカーボンの実現に寄与している。
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